【WinForms】自作イベント定義の違い

ユーザーコントロール作成時など、カスタムイベントを作成するときの違いについて説明します

2つのイベント定義

public event EventHandler MyCustomEvent; とカスタムイベントアクセサを使用した OnRadioButtonChanged イベントの定義の間には、いくつかの重要な違いがあります。これらの違いを理解することは、イベントの動作やカスタマイズ性において重要です。

直接イベント定義

public event EventHandler MyCustomEvent; 

この形式は、最もシンプルなイベントの宣言方法です。コンパイラは、このイベントに対してバックアップフィールドと add および remove メソッドを自動的に生成します。この方法では、イベントの購読と購読解除の処理は標準的な実装に従います。開発者はイベントの発生時に何が起こるかのみを制御し、購読や購読解除の具体的な実装をカスタマイズすることはできません。

カスタムイベントアクセサを使用した定義

private event EventHandler<MyEventArgs> onRadioButtonChanged;

public event EventHandler<MyEventArgs> OnRadioButtonChanged
{
    add
    {
        onRadioButtonChanged += value;
    }
    remove
    {
        onRadioButtonChanged -= value;
    }
}

この形式では、イベントの購読 (add) と購読解除 (remove) の挙動を明示的に定義しています。onRadioButtonChanged というプライベートフィールドは、イベントの実際の購読者リストを保持します。addremove アクセサをカスタマイズすることで、イベントへの購読や購読解除の際に追加のロジックを実行することが可能になります。たとえば、イベントの購読数を制限したり、特定の条件下でのみ購読を許可したりすることができます。

主な違い

  • カスタマイズ性: カスタムイベントアクセサを使用する方法では、イベントの購読や購読解除のプロセスを開発者が細かく制御できます。直接イベント定義では、このようなカスタマイズはできません。
  • 複雑性: カスタムイベントアクセサを使用する方法は、より複雑であり、特定のカスタム挙動が必要な場合にのみ使用するべきです。直接イベント定義はシンプルであり、多くの一般的な用途に適しています。
  • パフォーマンス: 直接イベント定義の方が、理論上はカスタムイベントアクセサを使用する方法よりもわずかにパフォーマンスが良い場合があります。なぜなら、コンパイラによる最適化が適用されるからです。しかし、この違いはほとんどのアプリケーションでは無視できるレベルです。

カスタムイベントアクセサの使用は、イベントの購読/購読解除のロジックに特別な要件がある場合にのみ推奨されます。一般的な用途では、直接イベント定義の方がシンプルであり、多くの場合、十分な機能を提供します。