Unity 基本操作ガイド: Additional Settings
この画像は、Unityの Mesh Renderer コンポーネントに含まれる Additional Settings セクションの設定画面を示しています。このセクションでは、オブジェクトの動きや視覚効果に関連する追加設定を制御します。以下に詳細を説明します。
1. Additional Settings セクションの役割
Additional Settings は、オブジェクトの動きに関するデータの生成や、描画に関する最適化の設定を管理します。これにより、より高度なレンダリング効果やパフォーマンスの最適化が可能になります。
2. インターフェースの要素説明
① Motion Vectors
- 現在の設定: Per Object Motion
- Motion Vectors(モーションベクター) は、オブジェクトの動きを示すベクトルデータを生成する機能です。このデータは、モーションブラー(動きのぼかし)や一部の後処理効果(ポストプロセッシング)で使用されます。
- 設定オプション:
- Camera Motion Only:
- カメラの動きによるモーションベクターのみを生成します。
- オブジェクト自体が動かない場合に使用されます。
- Per Object Motion:
- オブジェクトごとの動きによるモーションベクターを生成します。
- 動的に動くオブジェクト(例: キャラクターや移動する物体)がある場合に最適です。
- Force No Motion:
- モーションベクターを生成しません。
- モーションブラーを使用しない場合や、パフォーマンスを最適化したい場合に適しています。
② Dynamic Occlusion
- 現在の状態: 有効(チェックボックスがオン)
- Dynamic Occlusion(動的遮蔽) は、オブジェクトが他のオブジェクトによって隠されている場合に描画をスキップする仕組みです。
- 有効化するメリット:
- パフォーマンスを向上させます。見えないオブジェクトを描画しないため、レンダリング負荷を軽減します。
- 無効化する場合:
- 特殊な描画要件がある場合や、意図的に隠れたオブジェクトも描画したい場合に使用します。
3. 具体的な使用例
- モーションベクターの利用例:
- 動的なシーン:
- キャラクターや車などの動的なオブジェクトが多いシーンでは、Per Object Motion を選択してリアルなモーションブラーを適用します。
- 静的なシーン:
- 静止しているオブジェクトだけのシーンでは、Camera Motion Only を選択してモーションベクターの計算負荷を軽減します。
- モバイルゲーム:
- モバイルデバイスでは、モーションベクターを生成しない(Force No Motion)ことでパフォーマンスを向上させるのが一般的です。
- 動的遮蔽の利用例:
- 室内シーン:
- 部屋の中のオブジェクトが壁に隠れている場合、Dynamic Occlusion を有効にすると、見えないオブジェクトの描画をスキップし、パフォーマンスを最適化できます。
- 複雑な屋外シーン:
- 山や建物に隠れたオブジェクトが多いシーンでも、この機能を有効にすると効率的です。
- 動的なシーン:
4. 注意点
- モーションベクターを無効にするとポストプロセッシング効果が制限される:
モーションブラーや一部のエフェクトは、モーションベクターに依存しています。これらの効果が必要な場合は、適切にモーションベクターを有効化してください。 - Dynamic Occlusion の精度:
動的遮蔽の精度は、視点の変化やオブジェクトの動きによって変化します。遮蔽が正しく行われない場合は、シーンの最適化を見直す必要があります。 - パフォーマンスと見た目のトレードオフ:
これらの設定は、見た目とパフォーマンスの間でバランスを取るために調整されます。モバイルや低性能デバイスでは、負荷軽減を優先することが一般的です。
このセクションは、高度なグラフィックス設定やパフォーマンスチューニングに不可欠な項目です。特にモーションベクターと動的遮蔽は、リアルなビジュアルエフェクトと効率的なレンダリングの両方を実現するために重要です。
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