【C#】Assert.AreEqualの色々なパターン
Assert.Equal
メソッドは、特に xUnit テストフレームワークで使用され、期待値と実際の値が等しいかどうかを検証するために使われます。このメソッドはいくつかのオーバーロードを持っており、異なる種類の比較や検証に対応できるように設計されています。
以下は、Assert.Equal
の異なる使用例を示すサンプルコードです
xUnit テストフレームワーク
基本的な等価性の検証
[Fact]
public void Test_Add_TwoNumbers()
{
var result = Add(5, 3);
Assert.Equal(8, result); // 期待する値は8、実際の結果がこれに等しいことを検証
}
浮動小数点数の検証(許容誤差を指定)
[Fact]
public void Test_Divide_TwoNumbers()
{
var result = Divide(5, 2); // 2.5が期待される
Assert.Equal(2.5, result, precision: 1); // 小数第1位までの精度で比較
}
コレクションの検証
[Fact]
public void Test_GetNumbers()
{
var expected = new List<int> { 1, 2, 3 };
var result = GetNumbers(); // List<int> を返すメソッド
Assert.Equal(expected, result); // コレクション全体が等しいことを検証
}
カスタム等価比較
public class MyObjectComparer : IEqualityComparer<MyObject>
{
public bool Equals(MyObject x, MyObject y)
{
// カスタム等価性のロジック
return x.Id == y.Id; // 例:IDプロパティが等しい場合に等価とみなす
}
public int GetHashCode(MyObject obj)
{
return obj.Id.GetHashCode();
}
}
[Fact]
public void Test_CustomObjectsEquality()
{
var expected = new MyObject { Id = 1, Name = "Test" };
var result = GetMyObject(); // MyObject を返すメソッド
Assert.Equal(expected, result, new MyObjectComparer()); // カスタムコンパレータを使用
}
これらのサンプルは、Assert.Equal
メソッドの様々な使い方を示しています。xUnit では、これらのオーバーロードを利用して、テストケースの正確な検証条件を設定することができます。
MSTestテストフレームワーク
MSTest フレームワークでは、Assert.AreEqual
メソッドを使用して、期待値と実際の値が等しいかどうかを検証します。Assert
クラスには、Assert.AreEqual
のほかにも多くの検証メソッドがありますが、Assert.AreEqual
は基本的な等価性の検証に用いられます。Assert.AreEqual
にはいくつかのオーバーロードが存在し、基本的な値の比較から、浮動小数点数の比較、コレクションの比較まで、さまざまなシナリオに対応しています。
基本的な等価性の検証
[TestMethod]
public void Test_Addition()
{
int result = Add(2, 3);
Assert.AreEqual(5, result); // 期待する値は5、実際の結果がこれに等しいことを検証
}
浮動小数点数の検証(許容誤差を指定)
MSTestでは、浮動小数点数の比較にdouble
やfloat
のオーバーロードを使用します。これらのオーバーロードは、第3引数として許容される誤差(delta)を受け取ります。
[TestMethod]
public void Test_Division()
{
double result = Divide(5, 2); // 2.5が期待される
Assert.AreEqual(2.5, result, 0.001); // 許容誤差0.001以内であればテストは成功
}
コレクションの検証
MSTestでは、コレクションの等価性を直接検証するための専用のメソッドは提供されていません。コレクションを検証するには、コレクションの各要素を個別に比較するか、CollectionAssert クラスを使用します。
[TestMethod]
public void Test_GetNumbers()
{
var expected = new List<int> { 1, 2, 3 };
var actual = GetNumbers(); // List<int> を返すメソッド
CollectionAssert.AreEqual(expected, actual); // コレクション全体が等しいことを検証
}
カスタム等価比較
カスタムオブジェクトの等価性を検証する場合、オブジェクトにEquals
メソッドを適切にオーバーライドするか、カスタムの比較ロジックを使用して個別に検証する必要があります。
[TestMethod]
public void Test_CustomObjectEquality()
{
var expected = new MyObject { Id = 1, Name = "Test" };
var actual = GetMyObject(); // MyObject を返すメソッド
Assert.AreEqual(expected, actual); // MyObject で Equals と GetHashCode を適切にオーバーライドしている必要がある
}
これらの例は、MSTest フレームワークで提供される Assert.AreEqual
メソッドの使用方法を示しています。MSTest では、これらのオーバーロードを利用して、テストケースにおけるさまざまな等価性検証シナリオに対応することができます。
NUnitテストフレームワーク
NUnit テストフレームワークでは、Assert.AreEqual
メソッドを使って期待値と実際の値が等しいかどうかを検証します。NUnit には Assert.AreEqual
の他にも、さまざまなアサーションメソッドがあり、それぞれがテストシナリオに合わせた検証を提供します。Assert.AreEqual
は基本的な等価性の検証に用いられるメソッドで、数値、文字列、オブジェクト、コレクションなど、幅広いデータタイプの比較に対応しています。NUnit はまた、浮動小数点数の比較やコレクションの検証のための特別な考慮事項も提供します。
基本的な等価性の検証
[Test]
public void TestAddition()
{
int result = Add(1, 2);
Assert.AreEqual(3, result); // 期待する値は3、実際の結果がこれに等しいことを検証
}
浮動小数点数の検証(許容誤差を指定)
NUnit では、浮動小数点数を比較する際に許容誤差を指定することができます。これにより、浮動小数点数の演算における精度の問題を考慮することができます。
[Test]
public void TestDivision()
{
double result = Divide(1, 3);
Assert.AreEqual(0.333, result, 0.001); // 許容誤差0.001以内であればテストは成功
}
コレクションの検証
NUnit では CollectionAssert
クラスを使ってコレクションの検証を行います。これにより、コレクション内の要素が期待する順序で、期待する値を持っているかを検証することができます。
[Test]
public void TestGetNumbers()
{
var expected = new List<int> { 1, 2, 3 };
var actual = GetNumbers(); // List<int> を返すメソッド
CollectionAssert.AreEqual(expected, actual); // コレクション全体が等しいことを検証
}
カスタム等価比較
カスタムオブジェクトを比較する場合、オブジェクトが Equals
メソッドと GetHashCode
メソッドを適切にオーバーライドしていることが前提となります。オブジェクトの等価性のカスタムルールを定義することができます。
[Test]
public void TestCustomObjectEquality()
{
var expected = new MyObject { Id = 1, Name = "Test" };
var actual = GetMyObject(); // MyObject を返すメソッド
Assert.AreEqual(expected, actual); // MyObject で Equals と GetHashCode を適切にオーバーライドしている必要がある
}
NUnit は柔軟なアサーションメソッドを提供しており、様々なテストシナリオに対応するための強力なツールです。アサーションメソッドを適切に使用することで、テストの正確性と信頼性を高めることができます。
Assert.AreEqualの新しい書き方
Assert.AreEqual
メソッドの使用法は基本的に一貫していますが、テストフレームワークのアップデートに伴い、より読みやすく、表現力豊かなアサーションを書くための新しいスタイルが提案されることがあります。特に NUnit と xUnit では、テストの可読性とメンテナンス性を向上させるための様々なアプローチが採用されています。
NUnit の場合
NUnit 3 以降では、Assert.That
と組み合わせて使用する「Constraint-Based」アサートモデルが推奨されています。このモデルでは、Assert.AreEqual
の代わりに Assert.That
メソッドと一緒に制約(Constraint)を使用します。これにより、テストの意図をより明確に表現し、読みやすくなります。
// 従来の書き方
Assert.AreEqual(expected, actual);
// Constraint-Based アサートモデルを使用した書き方
Assert.That(actual, Is.EqualTo(expected));
xUnit の場合
xUnit では、Assert.Equal
メソッドを使用して等価性を検証します。xUnit は Assert.That
スタイルを採用していませんが、Assert.Equal
はそのシンプルさから、コードの意図を明確に伝えることができます。
// xUnit での書き方
Assert.Equal(expected, actual);
MSTest の場合
MSTest では、Assert.AreEqual
メソッドの使用法に大きな変更はありませんが、テストの可読性を高めるために、テストメソッドやテストクラスに対する命名規則や、テストの構造化に注目する動きがあります。
// MSTest での書き方
Assert.AreEqual(expected, actual);
最新のアプローチ
各テストフレームワークの最新の書き方では、テストの可読性と意図の明確化が重視されています。テストコードは、その振る舞いを文書化するものとして捉えられ、コードの読み手にとって明確で理解しやすいものであるべきだという考え方が広がっています。そのため、テストメソッドの命名、テストの構造化、アサーションの表現方法など、コード全体のクリアな記述が推奨されています。
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