Unity6におけるシーンファイルとGit管理ガイド
本資料は、Unity6で新規プロジェクトを作成する場合のシーンファイルの保存情報、変更条件、及びGitを利用したバージョン管理のポイントについてまとめています。なお、Unity6の新規プロジェクトでは、Force Textシリアライゼーションがデフォルト設定になっているため、ファイルはテキスト形式(YAML形式)で保存され、差分管理やマージがしやすくなっています。
1. シーンファイルに保存される情報
Unityのシーンファイルは、現在のシーンの状態を詳細に記録する重要なファイルです。以下の情報が格納されます。
1.1 ゲームオブジェクトと階層構造
- シーン内のすべてのゲームオブジェクトが保存される。
- 各オブジェクトの位置、回転、スケールなどのトランスフォーム情報。
- オブジェクト間の親子関係(階層構造)が記録される。
1.2 コンポーネントの設定情報
- 各ゲームオブジェクトに付随するコンポーネント(スクリプト、カメラ、ライト、物理関連など)の設定情報が保存される。
1.3 アセットの参照情報
- シーンで利用されるテクスチャ、メッシュ、アニメーション、サウンドなどのアセットへのリンク情報が記録される。
- アセット自体はプロジェクト内の別ファイルとして管理される。
1.4 レンダリング・ライティング設定
- シーン全体のグローバル照明、カメラ設定やその他レンダリングに関する設定情報。
1.5 環境設定
- スカイボックス、環境光、反射プローブなど、シーン全体の環境表現に関する設定が含まれる。
1.6 物理設定
- 物理シミュレーションで用いられる設定(例:重力、衝突マトリクスなど)が記録される。
備考:
Unity6では、新規プロジェクト作成時のデフォルト設定でForce Textシリアライゼーションが有効になっているため、シーンファイルやプレハブはYAML形式のテキストファイルとして保存され、変更内容の追跡が容易です。
2. シーンファイルが更新される条件
Unityエディタ内で以下のような変更が行われた場合、シーンファイルの内容が更新されます。
2.1 コンポーネントやプロパティの変更
- ゲームオブジェクトに付与された各コンポーネントの設定やプロパティが変更されたとき。
2.2 ゲームオブジェクトの追加・削除
- 新たなゲームオブジェクトがシーンに追加された場合。
- 既存のゲームオブジェクトがシーンから削除された場合。
2.3 アセットのリンク変更
- シーン上で参照しているアセット(テクスチャ、メッシュ、アニメーションなど)の更新や差し替えが行われた場合。
2.4 レンダリング、環境、物理設定の変更
- シーン全体のライティング、環境設定、及び物理設定が変更された場合。
注意:
変更を確実に反映させるためには、変更後に「シーンの保存」を行うことが重要です。
3. Gitによるプロジェクト管理のポイント
UnityプロジェクトをGitなどのバージョン管理システムで管理する際は、以下のポイントに留意してください。
3.1 シーンファイルの管理
- Force Textシリアライゼーション
Unity6の新規プロジェクトではデフォルトでForce Textシリアライゼーションが有効になっており、シーンファイルはテキスト形式(YAML)で保存されます。
これにより、変更箇所の差分確認やマージがしやすくなっています。 - マージコンフリクトへの対策
複数人で同じシーンを同時編集する場合、マージコンフリクトが発生する可能性があるため、作業の分担やシーンの分割を検討する必要があります。
3.2 プロジェクト設定ファイルの管理
- ProjectSettingsディレクトリ
ビルド設定、タグ、レイヤー、インプットマネージャ等の設定ファイルは、プロジェクト全体に影響を与えるため、変更内容が明確にわかるようコミットメッセージや分割管理を行いましょう。
3.3 アセット管理
- 大容量アセットの管理
テクスチャ、モデル、アニメーションなどの大容量アセットは、リポジトリサイズが急激に増加するため、Git LFS(Large File Storage)の利用を推奨します。
3.4 スクリプトとプレハブの管理
- テキストベースの管理
スクリプト(.csファイルなど)はテキスト形式で管理されるため、差分の確認が容易です。 - プレハブの管理
再利用可能な設定を保持するプレハブも、頻繁な更新が起こりうるため、慎重な管理が必要です。
3.5 コミットのルールとチーム内ガイドライン
- 明確なコミットメッセージ
変更箇所を明確にするため、コミットメッセージには具体的な変更内容を記載しましょう。 - ブランチ運用
複数の開発者が作業する場合、適切なブランチ運用によりコンフリクトリスクを減らし、統合作業を円滑に進めることが求められます。
まとめ
Unity6の新規プロジェクトでは、Force Textシリアライゼーションがデフォルト設定となっており、シーンファイルはYAML形式のテキストとして保存されます。これにより、バージョン管理システム(Git等)での差分の確認やマージが容易になり、複数人での開発環境においても効果的な管理が可能となります。シーンファイルの更新条件と、Gitでのプロジェクト管理のポイントを理解し、適切な運用を心がけることで、スムーズな開発フローを実現しましょう。
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