【Unity】Terrain技術資料
UnityのTerrainは、山・谷・草原・森といった広大な自然環境を3D空間に作るための標準機能です。この資料では、Unity 6(URP)を前提に、Terrainの基本的な使い方と、効率よく地形を作るためのポイントを解説します。
対象: Unity 6(6000系)/ URP。2026年10月に、公式ドキュメント(Unity 6系)に合わせて内容を更新しました。

1. Terrainの作成
新しいTerrainは、次のいずれかで作成します。
- メニューから GameObject > 3D Object > Terrain を選ぶ。
- または、Hierarchyビューで右クリックし、3Dオブジェクト > Terrain を選ぶ。
作成直後は、平らで何も描かれていない地形です。初期サイズは1000m四方で、広さはTerrain Settings(歯車アイコン)から変更できます。
Terrainを選択すると、Inspectorに次の5つのボタンが並びます。
- Create Neighbor Terrains: 隣にTerrainを足して、地形を広げる
- Paint Terrain: 高さ・テクスチャ・穴などを編集する(ブラシアイコン)
- Paint Trees: 木を植える
- Paint Details: 草や小さな岩を散らす
- Terrain Settings: 描画距離などの設定(歯車アイコン)
2. 地形の編集
まず、Paint Terrain のドロップダウンから使う基本ツールです。
Raise or Lower Terrain(地形の隆起/低下)
ブラシでクリック&ドラッグすると、地形が盛り上がって山や丘になります。Shiftキーを押しながらドラッグすると、地形が低くなり、谷や窪地を作れます。Brush Sizeで範囲、Opacityで強さを調整します。
Paint Texture(テクスチャの塗り込み)
草・土・岩などの表面を塗り分けます。使う前に、Terrain Layer(テクスチャと質感設定をまとめたアセット)を用意します。
- Paint Texture を選び、Edit Terrain Layers から Create Layer を選ぶ。
- テクスチャを選んでレイヤーを作る。最初に作ったレイヤーは、Terrain全体に塗られる。
- レイヤーを2つ目以降に追加し、ブラシで塗り分ける。
Smooth Height(高さのスムージング)
地形のギザギザを滑らかにします。山の稜線や斜面を自然な形に整えるのに便利です。
Paint Holes(穴をあける)
洞窟の入り口や崖の下など、地形に穴をあけます。詳しくは「3. Terrainの高度な機能」で説明します。
Paint Trees(木の配置)
ブラシで木を植えます。木のプレハブは、プロジェクトに用意しておく必要があります。Terrainの機能そのものに、木のデータが最初から入っているわけではありません。Asset Storeの無料アセットやUnity公式のサンプルを取り込んで使います。
- Paint Trees を選び、Edit Trees > Add Tree で木のプレハブを登録する。
- ブラシで植える。Terrain全体に一括で植えるときは Mass Place Trees を使う。
- 植えた木を消すときは、Shiftを押しながらブラシで塗る(範囲内の全種類を削除)。Ctrlを押しながら塗ると、選択中の木だけを削除できる。
Paint Details(草・小物の配置)
草や小さな岩を、ブラシで散らします。木と同じく、草のテクスチャやメッシュは自分で用意します。Asset Storeの無料のTerrain Tools Sample Asset Packなどが使えます。
Terrain Toolsパッケージを入れていると、Paint Detailsが拡張版に置き換わり、複数の種類を同時に散布したり、Terrain Layerごとに範囲を絞ったりできます。
3. Terrainの高度な機能
Terrain Holes(Terrainに穴をあける)
Paint Holes は、Unity 2019.3 で追加された機能で、洞窟の入り口や崖の下を作れます。ブラシでクリック&ドラッグで穴をあけ、Shiftを押しながらドラッグすると穴を消せます。
- 穴の部分は、Terrain Collider(当たり判定)から自動的に外れます。ライティングやNavMeshにも反映されます。
- 穴はテクスチャ(マスク)で表現されるため、縁がギザギザに見えることがあります。洞窟の入り口などは、岩のモデルで縁を隠すと自然に見えます。
- 穴の縁が粗いときは、Terrain Settings で Heightmap Resolution を上げると改善します。
【URPの場合の注意】 URP(Universal Render Pipeline)のプロジェクトでは、URP Assetで「Terrain Holes」にチェックを入れる必要があります。チェックがないと、エディタでは穴が見えても、ビルドしたアプリで穴が消えてしまいます。
描画距離の調整(LOD的な設定)
遠くの地形を軽く描くことでパフォーマンスを上げる設定は、Terrain Settings(歯車アイコン)にあります。
- Pixel Error: 地形のメッシュを簡略化して描画を軽くする。値を大きくすると軽くなるが、見た目は粗くなる。
- Base Map Dist.: テクスチャを高解像度で描く距離。これより遠くは、低解像度の合成画像になる。
- Detail Distance: 草や小物を描く距離。この距離より遠いものは表示されなくなる。
- Tree Distance / Fade Length: 木を描く距離と、近くの3Dモデルから遠くのビルボードへ切り替わる境目の長さ。
なお、SpeedTreeの木は、これらの設定ではなく、木そのもののLOD Groupで制御します。
4. テクニックとヒント
- Terrain Toolsパッケージ: 追加のブラシや地形生成の機能が入ります。Package Managerから導入できます。
- 自動生成ツールの利用: Asset Storeには、Terrainを自動で生成するアセットもあります。複雑な地形を短時間で作れますが、まずは手で作って基本を理解すると応用しやすくなります。
- マテリアルとシェーダー: URPのTerrainは、標準で Terrain Lit シェーダーを使い、最大8枚のTerrain Layerを重ねられます。独自の見た目にしたいときは、Shader Graphの「Terrain Lit Shader Graph」でマテリアルを作る方法もあります。
- Terrain Colliderは自動で付く: Terrainには最初からコライダーが付いているので、キャラクターやオブジェクトは、そのまま地面の上に乗ります。Paint Holesで穴をあけた部分は、コライダーからも自動で除かれます。
まとめ
Terrainを使うと、Unity 6の3Dプロジェクトで自然環境を効率よく作れます。まずは、Raise or Lower と Paint Texture で、シンプルな地形を作ってみましょう。慣れてきたら、木や草、穴、描画距離の調整へと進めると、よりリアルな世界を作れます。
URPで穴を使うときの「Terrain Holes」の設定と、木や草のアセットは自分で用意するという2点が、特につまずきやすいポイントです。








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