C# メソッドの基本説明(インスタンスを使った例)
目次
メソッドとは?
メソッドは、プログラム内で特定の処理をまとめたコードのまとまりです。
たとえば、掃除をする処理や計算をする処理などを一つにまとめ、呼び出しを簡単にするために使います。
メソッドの構造
戻り値の型 メソッド名(引数リスト)
{
// メソッドの処理内容
return 戻り値; // 戻り値が必要な場合のみ
}
- 戻り値の型: メソッドが返す値の型(
int
、string
、void
など)。返さない場合はvoid
を使います。 - メソッド名: 処理を表す名前で、通常は動詞を使用します(例:
Clean
,Calculate
)。 - 引数リスト: メソッドに渡すデータ。複数の引数はカンマで区切ります。
return
文: メソッドが結果を返すときに使用します(戻り値ありの場合のみ)。
メソッドを「上司と部下の関係」で学ぶ
「上司(呼び出し側)」と「部下(メソッド)」の関係で、メソッドの使い方を説明します。
ここでは、部下に該当する「クラス」をインスタンス化してからメソッドを呼び出します。
1. 引数なし・戻り値なし
説明:
上司が部下に「掃除して」とだけ指示を出すパターンです。
部下は処理を実行しますが、具体的な情報を渡さず、成果物も返しません。
サンプルコード:
using System;
class OfficeWorker
{
// 部下の仕事(引数なし・戻り値なし)
public void CleanOffice()
{
Console.WriteLine("オフィスを掃除しました!");
}
}
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// 上司が部下(インスタンス)を作る
OfficeWorker worker = new OfficeWorker();
// 部下に指示を出す
worker.CleanOffice();
}
}
2. 引数あり・戻り値なし
説明:
上司が部下に「この道具を使って掃除して」と具体的な指示を出すパターンです。
部下は引数で渡された情報を使って処理を実行しますが、成果物は返しません。
サンプルコード:
using System;
class OfficeWorker
{
// 部下の仕事(引数あり・戻り値なし)
public void CleanOffice(string tool)
{
Console.WriteLine($"{tool}を使ってオフィスを掃除しました!");
}
}
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// 上司が部下(インスタンス)を作る
OfficeWorker worker = new OfficeWorker();
// 部下に具体的な道具を指示
worker.CleanOffice("掃除機");
}
}
- 引数について:
引数は、部下が処理を行うために必要なデータや道具を渡すものです。この例では「掃除機」という道具が渡されています。
3. 引数あり・戻り値あり
説明:
上司が部下に「この道具を使って掃除して、結果を教えて」と指示を出すパターンです。
部下は引数で受け取った情報をもとに処理を行い、その結果を戻り値として返します。
サンプルコード:
using System;
class OfficeWorker
{
// 部下の仕事(引数あり・戻り値あり)
public int CleanOffice(string tool)
{
Console.WriteLine($"{tool}を使ってオフィスを掃除しました!");
return 1; // 掃除に成功したという結果を返す
}
}
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// 上司が部下(インスタンス)を作る
OfficeWorker worker = new OfficeWorker();
// 部下に指示を出し、結果を受け取る
int result = worker.CleanOffice("掃除機");
Console.WriteLine($"掃除の結果コード: {result}");
}
}
- 戻り値について:
戻り値は、部下が処理の結果を上司に報告するために使われます。この例では1
(成功コード)を返しています。
まとめ表
パターン | 上司の指示内容 | 部下の行動 | 戻り値 |
---|---|---|---|
引数なし・戻り値なし | 「掃除して」 | 掃除をするだけ | なし |
引数あり・戻り値なし | 「掃除機を使って掃除して」 | 指示通り掃除をする | なし |
引数あり・戻り値あり | 「掃除機を使って掃除して、結果を教えて」 | 指示通り掃除し、結果を報告する | 成功コード(例:1)など |
初学者への補足:
- クラスとインスタンス:
クラスは部下の設計図、インスタンスは具体的な部下そのものです。この例ではOfficeWorker
がクラス、worker
がインスタンスです。 - メソッドの呼び出し:
インスタンスを作成後、worker.CleanOffice()
のように呼び出します。 - 引数と戻り値:
引数は部下への指示内容や材料。戻り値は部下から上司への報告内容。
この説明と例を通じて、初心者にも「インスタンスを使ったメソッドの基本」がわかりやすく伝わります!
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