Unityの法線マップに関する資料
概要
Unityにおける法線マップ(ノーマルマップ)は、3Dオブジェクトの表面に微細な凹凸やディテールを表現するためのテクスチャです。通常のテクスチャが色(アルベド)情報を持つのに対し、法線マップは各ピクセルの「法線方向」をRGB値でエンコードしています。これにより、実際のジオメトリを増やすことなく、光の当たり具合を変化させ、表面に立体感や細かな凹凸を演出できます。

主な特徴
- ライティングの向上
シェーダーは法線マップから得られる情報を元に、各ピクセルでの光の反射を計算します。これにより、実際には平らな面でも凹凸があるかのような錯覚を生み出し、リアルなライティング効果を実現します。 - リソースの効率化
高解像度のジオメトリを使用する代わりに、法線マップを利用することでパフォーマンスを維持しながら見た目のディテールを向上させることができます。特に、ゲーム開発においてはポリゴン数を抑えつつリアルな表現を実現する上で重要です。 - タンジェント空間での表現
多くの場合、法線マップはタンジェント空間における法線情報を表現します。一般的には、赤チャンネルが横方向、緑チャンネルが縦方向、青チャンネルが法線の奥行きを示します。
Unityでの利用方法
- インポート設定
Unityでは法線マップを専用のテクスチャタイプとしてインポートできます。インポート時に「法線マップ」として設定することで、Unityのシェーダーは自動的にこの情報を利用し、ライティング計算に組み込みます。 - シェーダーとマテリアル
マテリアルのシェーダー内にある法線マップ用のスロットにテクスチャを割り当てると、実行時に各ピクセルの法線情報がライティングに反映され、立体的な表現が強化されます。 - ディテールのベイク
高解像度モデルから低解像度モデルへディテールを「ベイク」する際にも法線マップが利用されます。これにより、軽量なモデルでも豊かなディテール表現が可能となります。
まとめ
Unityの法線マップは、ジオメトリの複雑さを増やすことなく、視覚的なディテールとライティング効果を大幅に向上させる重要な技術です。ゲーム開発においては、パフォーマンスを維持しながらリアルな表現を追求するために、法線マップを効果的に利用することが求められます。
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