Unity 6.1(バージョン 6000.1.0)リリースノート概要

以下は Unity 6.1(6000.1.0)の主要な新機能・改善点を、日本語で整理したものです。


1. 編集メニューの変更

  • Undo History が「Edit」メニューから Window > General > Undo History へ移動。
  • Extract from Prefab 機能(サブアセットとしてのマテリアル抽出)が「Assets」メニュー内の Extract Material Subasset に名称変更。
  • 「Add Component」インスペクターの Miscellaneous サブメニュー内の項目を、より適切なサブメニューへ再配置。
  • Package Management サブメニューを新設し、「Package Manager」「Asset Store」「Services」「My Assets」へのアクセスをまとめて管理。
  • Version Control メニュー項目を External Provider に改称し、サブメニュー化(サードパーティ製バージョン管理ツール連携への影響に注意)。
  • macOS では「Help > Check For Updates」が Unity メニュー内へ移動。

2. グラフィックス

2.1 URP のシェーダー最適化

  • Reduce shader variants in URP
    • URP で生成されるシェーダー・バリアントを削減し、ビルド時間・ファイルサイズ・メモリ使用量を低減。
    • フォグやLOD用途のバリアントを事前に除外可能。
  • Pipeline State Object (PSO) トレースによるシェーダー前コンパイル
    • 実験的 API GraphicsStateCollection で実行時に必要な PSO を追跡し、先読みコンパイルすることでステッタリングを抑制。
  • URP と HDRP のバイキュービック・ライトマップサンプリング
    • ライトマップのエッジ部分を滑らかに補間する Use Bicubic Lightmap Sampling オプションを追加。
  • DirectX 12 を既定のグラフィックス API に設定
    • Windows 向け新規プロジェクトで DirectX 12 がデフォルトに。必要に応じて DirectX 11 への切り替えも可能。
  • カスタム HLSL での Read/Write テクスチャサポート
    • VFX グラフィックスバッファやテクスチャをカスタム HLSL ブロックで入出力パラメーターとして使用可能に。
  • VFX のランタイム最適化
    • パーティクルデータの帯域幅最適化、並列化強化、ガベージ生成削減により、インポート・オーサリング速度を向上。
  • GPU イベントのインスタンシング対応
    • GPU イベントを使う VFX でインスタンシングが強制無効にならないよう改善。
  • Deferred+ レンダリングパス(URP)
    • URP に Deferred+ パスを追加。透明オブジェクトは Forward+ 処理で扱い、ライト数無制限の Deferred レンダリングが可能。

2.2 HDRP の強化

  • 変動レートシェーディング(VRS)対応のカスタムパスを追加し、領域ごとの描画解像度を動的制御。
  • 水面デカールの 3D 変形対応(水面頂点の水平変位をサポート)、波のロール表現が可能に。
  • カスタムパスと局所的フォグを組み合わせた水面サンプルシーンを新規追加。

3. レイトレーシング API

  • BLAS 更新の手動制御
    • RayTracingAccelerationStructure.UpdateInstanceGeometry で Bottom-Level Acceleration Structure(BLAS)を手動更新可能に。
  • 間接インスタンス追加
    • RayTracingAccelerationStructure.AddInstancesIndirect で GraphicsBuffer 経由で大量インスタンスを効率的に管理。
  • インスタンス削除・フィルタリング
    • RemoveInstanceCullInstances API を追加し、レイヤーやレイトレーシングモードに応じて動的にインスタンスを除去・フィルタリング可能。

4. プラットフォームサポート

4.1 Android

  • 大画面・折りたたみ端末サポート
    • 「Resizable Activity」「Run Without Focus」などの Player 設定、および Android API (AndroidApplicationAndroidConfiguration) で複数ウィンドウや折りたたみ検出に対応。
  • Vulkan デバイスフィルタ資産
    • 特定デバイス向けに Vulkan API やグラフィックスジョブモードを設定するフィルタ資産を追加。

4.2 Web

  • Facebook Instant Games
    • モバイル・デスクトップ向けプリコンフィグ設定、SDK 統合、ビルドストリッピングツールによる Instant Games サポート。
  • Unity Play への直接公開
    • Web ビルドを「Publish to Play」オプションで Unity Play へ即時公開可能に。
  • WebGPU(実験的)
    • Compute Shader、間接レンダリング、GPU スキニングなどの WebGPU API を試験導入。

4.3 ビルドプロファイル

  • グラフィックス・クオリティ設定のオーバーライド
    • ビルドプロファイルごとにグローバル設定を上書きし、プラットフォーム別にパフォーマンスや品質を最適化可能。

5. Project Auditor 統合

  • 静的解析ツール「Project Auditor」を統合。コードベース、アセット、プロジェクト設定をスキャンし、潜在的な問題をレポート。

6. SRP Core

  • パスマージ無効化のレンダグラフデバッグ設定
  • Scriptable Renderer Features 用可変レートシェーディング API
    • DirectX12/Vulkan/コンソール対応。

7. UI Toolkit

  • UI Builder の Variables フィールド
    • USS 変数を UI Builder 上で直接作成・管理可能に。
  • Mask64Field コントロール
    • 64ビットビットマスク用の新しい UI コントロールを追加。
  • Profiler マーカー名称更新
    • UI Toolkit プロファイラのトップレベルマーカーをより正確な名称に刷新。

8. XR(拡張現実)

  • Meta Quest ビルドプロファイル
    • Meta Quest 向けプロジェクト設定を上書きするビルドプロファイルを追加。
  • Android XR
    • Unity OpenXR Android XR パッケージで Android XR をサポート。
  • Mixed Reality マルチプレイヤーテーブルトップテンプレート
    • Unity Hub にて MR+マルチプレイヤー向けテーブルトップテンプレートを提供。

翻訳元:Unity Technologies, “New in Unity 6.1”