「抽象」と「具体」がピンと来ないあなたへ

――“わかりづらさ”を味方に変える3ステップ


1. 「わからない」の正体を言語化しよう

☑ チェックリスト

  • 目の前の例(具体)は理解できる
  • 共通点やルール(抽象)に飛ぶと頭が真っ白になる
  • “どうせ自分は向いていない”と感じてしまう

もし1つでも当てはまるなら、あなたの思考は「具体先行型」 かもしれません。

これは生まれつきの“気質”であって、能力の欠如ではありません。まずは「抽象が苦手な自分」を事実として受け止めましょう。ここを飛ばすと、学びの土台がぐらつきます。


2. 具体→半具体→抽象 の「橋」を作る

2-1. 具体を “見える化” する

  • 手順・数値・コード・図――とにかく紙やホワイトボードに書き出す
  • 1つひとつに“ラベル”を付ける(例:C#の new → “インスタンス誕生ボタン”)

2-2. 半具体(グループ化)

  • 書き出したラベルを「似ている者どうし」で丸く囲む
  • C#なら「メモリに一度しかない情報」と「毎回生まれる情報」で色分けする

2-3. 抽象(ルール化)

  • 丸で囲ったグループに 短いルール文 を付ける
    • 例:「クラス=設計図」「インスタンス=完成品」「static=工場に 1 台だけの機械」

ポイント

抽象は“空中”ではなく 半具体を経由 して初めて安全にたどり着けます。


3. メタ認知の“筋トレ”を習慣化する

  1. 学んだ直後に1分メモ
    • 「いま具体と抽象をどう行き来した?」を自問し、短文で残す
  2. 小さな比喩を量産
    • 毎日1つ、習った概念を日常の物に例える
  3. 声に出して他者に説明
    • “聞き手が理解できたか”をフィードバックにする

この3点を継続すると、具体⇄抽象の往復スピード が少しずつ上がります。最初は時間がかかって当たり前。筋トレと同じで、“ゆっくりでも確実に”がコツです。


4. つまずきを感じたら

  • 視覚素材を追加:図・配色・アイコンで情報を増やす
  • ステップを細割り:いきなり難しい抽象語を避け、「半具体」で止める勇気を持つ
  • 専門用語=外国語 と割り切る:知らない単語は辞書を引く前に“音読→分割→再組立て”

5. まとめ

  • 「抽象が苦手」は気質であって才能の限界ではない
  • 具体→半具体→抽象 の3層を意図的に踏む
  • メタ認知トレーニングで“往復力”を鍛える

次の一歩

今読んでいるこのページを閉じる前に、

「今日学んだ技術や概念を、日常の物に1つたとえてメモ」 してみましょう。

たとえば――

public class は「説明書」、new は「スタートボタン」、できたインスタンスは「おもちゃ」

書けたら、それを誰かに声で説明してみてください。

言葉にした瞬間、あなたの中で“抽象”が息を吹き返します。


おわりに

わかりづらさは、学びを深める“入口”です。

焦らず、具体から一段ずつ橋を渡っていきましょう。

訪問数 4 回, 今日の訪問数 4回

C#,抽象・具体

Posted by hidepon