【Winform】private void DrawFigures(object sender, PaintEventArgs e)とは

DrawFigures メソッドは、C#のWinFormsアプリケーションで図形を描画するためのカスタム描画メソッドです。このメソッドは、フォームやコントロールの Paint イベントに関連付けられ、画面に図形や画像を描画する役割を担います。

サンプル

メソッドシグネチャ

private void DrawFigures(object sender, PaintEventArgs e)
  1. アクセス修飾子 (private):
    • このメソッドはプライベートスコープで宣言されており、同じクラス内からのみアクセス可能です。
  2. 戻り値の型 (void):
    • このメソッドは値を返しません。
  3. メソッド名 (DrawFigures):
    • メソッド名は任意ですが、ここでは描画を行うことを示す名前が付けられています。
  4. 引数 (object sender, PaintEventArgs e):
    • sender: イベントを発生させたオブジェクト。通常、描画対象のフォームやコントロールです。
    • ePaintEventArgs オブジェクトで、描画に必要なデータを含みます。

PaintEventArgs のプロパティ

  • Graphics プロパティ:
    • 描画操作を行うためのグラフィックスコンテキストを提供します。これを使用して図形やテキストを描画します。

実装例

以下に、DrawFigures メソッドを使って長方形と円を描画する具体例を示します。

private void DrawFigures(object sender, PaintEventArgs e)
{
    // グラフィックオブジェクトを取得
    Graphics g = e.Graphics;

    // 描画するためのペンを作成
    Pen blackPen = new Pen(Color.Black, 3);

    // 長方形を描画
    Rectangle rect = new Rectangle(50, 50, 200, 100);
    g.DrawRectangle(blackPen, rect);

    // 円を描画
    g.DrawEllipse(blackPen, rect);

    // リソースの解放
    blackPen.Dispose();
}

実装手順

  1. Graphics オブジェクトの取得:
    • e.Graphics を使用して、描画に必要な Graphics オブジェクトを取得します。
Graphics g = e.Graphics;

ペンの作成:

  • 図形を描くために Pen オブジェクトを作成します。ここでは黒色で幅3のペンを使用しています。
Pen blackPen = new Pen(Color.Black, 3);

図形の描画:

  • 長方形を描画するために DrawRectangle メソッドを使用します。
  • 同じ座標とサイズを使って円を描画するために DrawEllipse メソッドを使用します。
Rectangle rect = new Rectangle(50, 50, 200, 100);
g.DrawRectangle(blackPen, rect);
g.DrawEllipse(blackPen, rect);

リソースの解放:

  • Pen オブジェクトを使用し終わったら Dispose メソッドを呼び出してリソースを解放します。

イベントの登録

このメソッドを使用するためには、フォームやコントロールの Paint イベントに DrawFigures メソッドを登録する必要があります。

this.Paint += new PaintEventHandler(DrawFigures);

結論

DrawFigures メソッドは、WinFormsアプリケーションでカスタム描画を行うための基本的な手法を提供します。このメソッドを使用して、様々な図形や画像を動的に描画することができます。適切にリソースを管理し、描画操作を効率的に行うために、PaintEventArgs オブジェクトと Graphics オブジェクトを理解することが重要です。

Paint イベントが発生するタイミング

フォームやコントロールの初回表示時:

  • フォームやコントロールが最初に表示されるときに Paint イベントが発生します。

フォームやコントロールのサイズ変更時:

  • ウィンドウのリサイズやコントロールのリサイズが行われると、再描画が必要になるため Paint イベントが発生します。

フォームやコントロールの可視状態の変更時:

  • 最小化されたウィンドウを最大化したり、非表示にされていたコントロールが再度表示されたりすると、Paint イベントが発生します。

領域の無効化時 (Invalidate メソッドの呼び出し):

  • プログラム的に領域を無効化し、再描画を要求する場合、Invalidate メソッドを呼び出すことで Paintイベントが発生します。
this.Invalidate();

他のウィンドウによる部分的な隠蔽と再表示時:

  • 他のウィンドウが重なっている部分が再度表示されると、隠蔽されていた部分が再描画されるため Paint イベントが発生します。
  • 次のサイクルで実行されます。タイミングはシステムに委ねられます。即実行したい時は、次のUpdateメソッドを続けて呼び出します

Update メソッドの呼び出し時:

  • Invalidate メソッドに続けて Update メソッドを呼び出すと、直ちに再描画が行われ Paint イベントが発生します。
this.Invalidate();
this.Update();

Paint イベントの登録例

Paint イベントをハンドルするためには、イベントハンドラをフォームまたはコントロールに登録する必要があります。以下は、その例です。

// フォームのコンストラクタやLoadイベント内で登録
public Form1()
{
    InitializeComponent();
    this.Paint += new PaintEventHandler(DrawFigures);
}

private void DrawFigures(object sender, PaintEventArgs e)
{
    // 描画処理
    Graphics g = e.Graphics;
    Pen blackPen = new Pen(Color.Black, 3);
    Rectangle rect = new Rectangle(50, 50, 200, 100);
    g.DrawRectangle(blackPen, rect);
    g.DrawEllipse(blackPen, rect);
    blackPen.Dispose();
}

再描画の強制

プログラム内で再描画を強制する場合には、Invalidate メソッドを呼び出します。これにより、指定した領域が無効化され、次のペイントサイクルで再描画されます。

// 全体を再描画
this.Invalidate();

// 特定の領域を再描画
this.Invalidate(new Rectangle(50, 50, 200, 100));

まとめ

Paint イベントは、フォームやコントロールの再描画が必要なときに自動的に発生します。イベントのハンドラ内で描画操作を行い、必要に応じて Invalidate メソッドを使用して再描画を強制することができます。この仕組みにより、動的な描画と更新が効率的に行えます。