UnityにおけるdeltaTimeとフレームレート非依存移動の説明

ゲームを作る際、オブジェクトの移動は非常に重要な要素の一つです。しかし、移動の処理はフレームレートに依存してしまう場合があります。Unityでは、Time.deltaTimeを使うことで、この問題を解決し、フレームレートに依存しない動作を実現できます。この資料では、小学校で習う「速さ・時間・距離」の公式を使って、その仕組みを説明します。

速さ・時間・距離の公式

まず、小学校で学んだ「速さ・時間・距離」の公式を復習しましょう。

  • 速さ = 距離 ÷ 時間
  • 距離 = 速さ × 時間

これをUnityのゲームオブジェクトの移動に当てはめて考えると、次のようになります。

  • 速さ:オブジェクトが移動する速度(例: speed = 5 メートル/秒)
  • 時間Time.deltaTime(フレームごとに経過した時間)
  • 距離:オブジェクトが移動する距離

この公式を使うことで、オブジェクトが1フレームで移動する距離は以下の式で求められます。

距離 = 速さ × 時間

Unityにおける移動の実装

実際にUnityでのオブジェクトの移動をコードで表すと次のようになります。

float speed = 5.0f; // 移動速度(メートル/秒)
transform.Translate(Vector3.forward * speed * Time.deltaTime);

ここでは、Vector3.forwardの方向に、1秒間で5メートル移動するように設定しています。Time.deltaTimeを使うことで、フレームレートが違っても、常に1秒間で5メートル進むことが保証されます。

フレームレートによる違い

次に、フレームレートが異なる場合の挙動を見てみましょう。

フレームレートが60の場合:

1フレームにかかる時間は約0.016秒(1/60秒)
移動距離は「5 × 0.016 = 0.08メートル」。

フレームレートが30の場合:

1フレームにかかる時間は約0.033秒(1/30秒)
移動距離は「5 × 0.033 = 0.165メートル」。

どちらの場合も1フレームごとの移動距離は異なりますが、1秒後にはどちらも同じ5メートルを進んでいることがわかります。これにより、フレームレートに依存せず、安定した移動が実現されます。

まとめ

  • フレームレートによって1フレームごとに処理される時間は異なりますが、Time.deltaTimeを使うことで、この時間差を補正し、移動速度が一定に保たれます。
  • 「速さ × 時間 = 距離」という小学校で学ぶ公式を使って、オブジェクトがフレームレートに依存せずに同じ速さで動く仕組みを理解することができます。

これで、deltaTimeを使ったフレームレート非依存の移動方法の基本を理解できました。Unityでゲームを作る際には、この仕組みを活用してスムーズな動作を実現しましょう。


この技術資料は、小学校で習う概念をベースに、Time.deltaTimeの重要性を説明しており、初学者にも理解しやすい構成です。

Unity

Posted by hidepon