Windowsファイルのプロパティ と Unityの .metaファイル の比較
目次
1. 概要
1.1 Windowsファイルのプロパティ
- 役割
- ファイルシステム(NTFS など)が標準で管理するメタデータ。
- 例: 作成日時、更新日時、ファイルサイズ、タグ、著者、撮影日時 など。
- 保存場所・形式
- ファイルシステム内でファイル本体と一緒に格納。
- OS が標準的にサポートしているため、エクスプローラーや多くのアプリケーションから参照・編集が可能。
1.2 Unityの .metaファイル
- 役割
- Unity プロジェクト内のアセット(画像、モデル、スクリプトなど)を一意に識別し、インポート設定や参照関係を保持するためのメタデータ。
- 例: GUID(Globally Unique Identifier)、テクスチャやモデルのインポート設定、参照情報 など。
- 保存場所・形式
- アセットと同じディレクトリに「アセットファイル名 +
.meta
」としてテキスト形式(YAML)で生成される。 - OS には依存せず、主に Unity エディタが生成・利用・管理する。
- アセットと同じディレクトリに「アセットファイル名 +
2. 主な利用用途の違い
項目 | Windowsファイルのプロパティ | Unityの .metaファイル |
---|---|---|
目的 | ファイル検索・ソートやファイル管理(作成日時・タグなど) | Unity 内でのアセット管理(GUID、インポート設定、参照情報) |
参照可能な範囲 | OS 全体・様々なアプリケーション | Unity エディタ(およびバージョン管理で共有) |
変更・編集の可否 | OS レベルで可能だが制限がある場合もある | 基本的に Unity が自動生成・更新し、手動編集は非推奨 |
ファイルとの関係 | ファイル名や拡張子と紐づいてはいるが、ファイルシステム内部で管理 | アセットファイルと一対一で .meta ファイルを生成(削除厳禁) |
削除・改変のリスク | 一部プロパティを変更しても大きな問題は起きにくい | .meta を削除・改変すると参照関係が破壊され大きな不具合が起きる |
3. 具体的なメタデータ内容の例
3.1 Windowsファイルのプロパティに含まれる情報
- 基本情報: 作成日時、更新日時、最終アクセス日時、ファイルサイズ、読み取り専用属性 など
- 拡張情報:
- 画像: カメラのモデル、撮影日時、解像度、EXIF情報 など
- 音楽: アーティスト名、アルバム名、ジャンル、トラック番号 など
- Office系ファイル: タイトル、作成者、コメント、タグ など
3.2 Unityの .metaファイルに含まれる情報
- GUID (Globally Unique Identifier)
- Unity 内でアセットを一意に識別するための ID。
- アセット名や場所が変わっても、この GUID を基準に参照・リンク関係を維持。
- アセットのインポート設定
- 画像やモデル、音声などのアセット種別に応じた圧縮形式、解像度、アニメーション設定 など。
- 参照情報
- 他アセットへのリンクや依存関係を保持(例: プレハブに含まれるスクリプト参照 など)。
4. 管理・運用上の注意点
4.1 Windowsファイルのプロパティ
- 変更ツールやコマンド
- 一般的に OS がメインで管理するため、GUI(エクスプローラー)や PowerShell コマンドで変更が可能だが慎重さが必要。
- バージョン管理
- ファイル名やタイムスタンプが変わると差分として検出される場合がある。
- 画像の EXIF 情報など変更により不要なコミットが増加するケースも。
4.2 Unityの .metaファイル
- 削除しない
- 不要と思い .meta ファイルを消すと GUID が失われ、参照しているアセットとのリンクが破壊される。
- バージョン管理には含める
- チーム開発で .meta ファイルを除外するとアセットの参照関係が崩壊する原因となる。
- 直接編集は避ける
- Unity エディタ上でのインポート設定・ファイル操作に応じて自動生成・更新されるのが基本。
- YAML 形式なのでテキストエディタで閲覧は可能だが、手動修正は高リスク。
5. まとめ
- Windowsのファイルプロパティ
- OSレベルで管理され、ファイルの作成日時や撮影日時など、様々なアプリケーションから参照・利用される汎用的なメタデータ。
- 主にファイル検索やソート、著者情報の保存などに役立つ。
- Unityの .metaファイル
- Unity専用に各アセットを一意に特定し、インポート設定やアセット間の参照関係を正しく保つための必須メタデータ。
- プロジェクト管理やチーム開発で、アセットの追加・削除・リネームなどをしても参照切れが起きないようにする役目を担う。
両者は「ファイルに付随するメタデータ」という点では共通していますが、
- Windowsのファイルプロパティが「OS とファイルシステム、様々なアプリケーションで活用される汎用的なメタ情報」であるのに対し、
- Unityの .metaファイルは「Unity プロジェクト内でのみ通用する、アセット運用のための独自メタ情報」
という点で大きく異なります。
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