オブジェクト指向が得意な4つの領域

2025年7月8日

オブジェクト指向プログラミング(OOP)は「データ+振る舞い」を 1 つの“かたまり”=オブジェクトとして扱う考え方です。

カプセル化・継承・ポリモーフィズムといった仕組みで 保守しやすく拡張しやすい ソフトウェアを設計できるのが最大の強みです。 


1. ソフトウェア開発

  • 対象:業務システム・Web アプリなど大規模で複雑なアプリケーション
  • OOP が効く理由
    • 要素をクラスとして整理でき、機能ごとの境界がはっきりする
    • 継承/インターフェースで実装を切り替えやすい
    • テストやリファクタリングに強い 

2. ゲーム開発

  • 対象:キャラクター・アイテム・ステージなどが絡み合うゲーム全般
  • OOP が効く理由
    • 各キャラクターやアイテムをクラスにし、振る舞いをメソッドで表現
    • ポリモーフィズムで敵/味方の AI を差し替えられる
    • Unity など主要ゲームエンジンが OOP を前提にしている 

3. GUI アプリケーション

  • 対象:Windows Form、WPF、モバイルアプリなど
  • OOP が効く理由
    • ボタン・ウィンドウなど GUI 部品をオブジェクト化しやすい
    • イベント駆動型の処理をクラスに閉じ込めて再利用できる 

4. モデリング/シミュレーション

  • 対象:物理シミュレーション、業務フロー、統計モデルなど
  • OOP が効く理由
    • 現実世界のエンティティ(粒子・顧客・トランザクションなど)を 1 対 1 でクラスに落とし込める
    • 相互作用をメソッド呼び出しに置き換え、コードと概念モデルが対応付く 

適用するときの注意点

  • 小規模プログラムではオーバーヘッドもちょっとしたスクリプトやワンショットの自動化ツールでは、クラス設計そのものが負担になることがあります。規模と将来の保守コストを秤にかけて選択しましょう。 

まとめ

  • 大規模・複雑・長期運用が見込まれるシステムでは OOP が最適
  • 現実世界の“もの”や“役割”をそのままコードに写せるのが最大の魅力
  • ただし 目的が小さく短命なプログラムには必ずしも万能ではない

OOP は「設計に時間を投資して保守コストを下げる」アプローチです。

作るシステムの寿命と複雑度を見極めて、最も効果がある場面で採用してください。

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Posted by hidepon