【Unity】等速で移動するゲームオブジェクト同士の当たり判定

等速で動いているゲームオブジェクト同士の衝突について考える場合、Unityの物理エンジンがこれらのオブジェクト間での衝突を検出し、適切に応答することが可能です。ただし、オブジェクトが物理法則に従って適切に移動していることが重要です。つまり、オブジェクトにはRigidbodyコンポーネントがアタッチされており、その移動は物理エンジンによって管理されている必要があります。物理エンジンを使用することで、Unityはオブジェクト間の衝突を検出し、設定に応じてオブジェクトを反発させたり、他の物理的な反応をさせることができます。

方法

等速で移動するオブジェクトの場合、以下の2つの方法が考えられます:

Rigidbodyのvelocityを設定する

オブジェクトにRigidbodyコンポーネントがある場合、そのvelocityプロパティを直接設定することで、オブジェクトを等速で移動させることができます。これにより、物理エンジンはオブジェクトの移動を管理し、衝突が発生した場合には自動的に検出し、適切な物理的応答を行います。

public class ConstantVelocity : MonoBehaviour
{
    public Vector3 velocity;

    private void Start()
    {
        Rigidbody rb = GetComponent<Rigidbody>();
        rb.velocity = velocity;
    }
}

FixedUpdateを使用してMovePositionを呼び出す

もう一つの方法として、FixedUpdateメソッド内でRigidbody.MovePositionを使用してオブジェクトを移動させる方法があります。この方法は、オブジェクトの新しい位置を物理エンジンによる計算に基づいて指定するため、衝突の検出と応答がより自然になります。

public class MoveWithFixedUpdate : MonoBehaviour
{
    public Vector3 speed;
    private Rigidbody rb;

    private void Start()
    {
        rb = GetComponent<Rigidbody>();
    }

    private void FixedUpdate()
    {
        Vector3 newPosition = rb.position + speed * Time.fixedDeltaTime;
        rb.MovePosition(newPosition);
    }
}

これらの方法を使用することで、定速で移動するゲームオブジェクト同士の衝突を効果的に処理できます。Unityの物理エンジンは、これらのオブジェクト間の相互作用を適切に処理し、衝突検出と応答を自然に行います。

Translateで移動させた時との違いは

Translateメソッドでゲームオブジェクトを移動させる場合と、Rigidbodyvelocityを設定するかMovePositionメソッドを使用する場合の主な違いは、Unityの物理エンジンがどのように衝突を検出し処理するかにあります。ここでは、それぞれの方法の違いと、特に衝突検出と反応におけるそれらの影響を詳しく見ていきましょう。

Translateメソッドを使用した移動

  • 物理演算の無視: TranslateはTransformコンポーネントを直接操作し、物理エンジンの計算を経由せずにオブジェクトの位置を変更します。これは、物理エンジンによる衝突検出や反応が必要ない特定のケース(例えば、背景オブジェクトの移動など)で便利です。
  • 衝突の検出に限界がある: Translateで移動したオブジェクトは、高速で移動している場合や、フレーム間での移動距離が大きい場合、他のオブジェクトを通過してしまうことがあります(「すり抜け」とも呼ばれます)。これは、物理エンジンがフレームごとにしか衝突を検出しないためです。
  • 手動での衝突処理が必要: Translateを使ってオブジェクトを動かす場合、衝突時の挙動を自分で定義する必要があります。これは、特定のゲームのルールや挙動に応じてカスタマイズされることが多いです。

Rigidbodyvelocityを使用した移動

  • 物理エンジンによる処理: velocityを設定すると、オブジェクトは物理エンジンによって管理され、設定された速度で均等に移動します。これにより、衝突検出がフレームレートに依存しなくなり、オブジェクトが互いにすり抜けることが減少します。
  • 自然な物理反応: 物理エンジンは衝突が発生した際に、リアルタイムでオブジェクト間の物理的な応答(反発や摩擦など)を計算し、適用します。これにより、ゲーム内の物理演算がより現実に近くなります。

Rigidbody.MovePositionを使用した移動

  • 物理エンジンの積極的な利用: MovePositionRigidbodyを介してオブジェクトの位置を安全に変更する方法です。これにより、物理エンジンが衝突を検出し、必要に応じて自動的にオブジェクトの位置を調整します。
  • 衝突の滑らかな処理: MovePositionを使用すると、オブジェクトの移動と衝突検出が物理シミュレーションの一部として統合され、オブジェクト間の予期しない挙動やすり抜けが減少します。
  • フレームレートに依存しない衝突検出: 物理エンジンは内部的に時間の概念を持っているため、MovePositionによる移動はフレームレートの変動による影響を受けにくくなります。

総じて、Translateは簡単に位置を変更できるものの、物理演算や衝突検出の正確性を犠牲にする可能性があります。一方で、Rigidbodyを使用する方法は、Unityの物理エンジンを利用してよりリアルな物理挙動と衝突処理を実現できます。ゲームの種類や求められる挙動に応じて、適切な方法を選択することが重要です。

Unity

Posted by hidepon