Unityにおけるテストシーンのサンドボックス活用ガイド
目次
1. はじめに
目的: Unityプロジェクト内でテスト用シーンを「サンドボックス環境」として活用し、安全かつ効率的に機能検証やプロトタイピングを行う方法を解説します。
2. テストシーンがサンドボックスである理由
- 隔離された検証領域
本番シーンや他メンバーの作業に影響を与えずに実験できる - 迅速なプロトタイピング
新機能やアルゴリズムを仮組みして動作確認が可能 - リスク低減
重大なバグやクラッシュ発生時でも、本番データや主要シーンを保護
3. フォルダ構造と命名規則
項目 | 推奨例 | 備考 |
---|---|---|
フォルダ | Assets/Scenes/Sandbox | テスト専用シーンをまとめる |
シーンファイル名 | Sandbox_PlayerController.unity | 接頭辞「Sandbox_」で一目で判別可能 |
スクリプト・プレハブ | Assets/Sandbox/Prefabs , Assets/Sandbox/Scripts | テスト用モックを分離 |
4. ビルド設定とバージョン管理
- Build Settings除外
- テストシーンは
Scenes In Build
から外し、誤ったビルドサイズ増加を防止
- テストシーンは
- Gitブランチ運用
- 機能開発ブランチでテストシーンを追加し、動作確認後にマージ
- コミットルール
- メッセージに「[Sandbox]」タグを付与し、意図を明示
5. テストシーンの活用例
- プレイヤーコントローラ検証
独立した入力処理やデバッグ表示の確認用シーンを用意 - 物理演算テスト
複数オブジェクトを並べたシンプルステージで落下や衝突を検証 - UI/HUDレイアウト確認
各種解像度での画面表示位置やスケーリングのテスト
6. Editor拡張との連携
- ワンクリック起動
MenuItem("Sandbox/Open Test Scene")
を実装し、テストシーンを素早く開く - 自動リセット処理
シーン起動時にシングルトンや一時データをクリアするスクリプトを組み込む
7. 自動テストとの組み合わせ
- Unity Test Framework
- Edit Mode テストでエディタ上のロジック検証
- Play Mode テストでシーン再生時の動作確認
- CIパイプライン連携
テストシーンを用いた自動テストをビルドプロセスに組み込む
8. 注意点と運用ルール
- 依存関係の最小化
テストシーンには本番専用アセットを極力持ち込まない - 定期的なクリーンアップ
使用しなくなったテストシーンやモックアセットは適宜削除 - ドキュメント化
シーン用途や起動方法をREADMEに明記してチームで共有
9. まとめ
- テスト用シーンは開発・検証を安全に行う「サンドボックス」である
- フォルダ構造、命名規則、ビルド設定、バージョン管理を整備して混乱を防止
- Editor拡張や自動テストと組み合わせることで、開発効率と品質を同時に向上
以上のガイドを参考に、Unityプロジェクトでのテストシーン活用を標準化し、チーム全体の開発体験を改善しましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません