日付と時刻を 1 本で扱う値型 ― DateTime / System.DateTime 構造体

2025年7月22日

C# の DateTime は「日時」を 1 つの 64 bit 値（Ticks: 100 ns 単位）で表す 値型（struct） です。

• イミュータブルなので、加算・減算メソッドは必ず “新しい DateTime” を返します。
• 「いつの時刻か」を示す Kind（Unspecified / Local / Utc）フィールドを内部に持ちます。

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よく使う “生成・取得” メンバ

プロパティ / メソッド	型	役割	例
Now	DateTime	ローカル時刻（PC のタイムゾーン）	var now = DateTime.Now;
UtcNow	DateTime	協定世界時	var utc = DateTime.UtcNow;
Today	DateTime	0:00:00 付き今日の日付	var today = DateTime.Today;
Date(int y, int m, int d)	ctor	指定日 0:00 作成	new DateTime(2025, 7, 22);
Parse( string ) / TryParse	DateTime / bool	文字列→日時	DateTime.Parse(“2025-07-22")
FromFileTimeUtc(long)	DateTime	Windows FileTime→日時	―

失敗しうる変換は TryParse を推奨（bool ok = DateTime.TryParse(…)）。

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代表的なプロパティ

プロパティ	型	内容	例 (2025-07-22 08:15:30)
Year / Month / Day	int	年・月・日	2025 / 7 / 22
Hour / Minute / Second	int	時・分・秒	8 / 15 / 30
DayOfWeek	DayOfWeek	曜日 enum	DayOfWeek.Tuesday
DayOfYear	int	1‒366 日目	203
Ticks	long	0001/1/1 0:00:00 からの 100 ns 数	―
Kind	DateTimeKind	時刻の基準	Local

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日時計算・差分

分類	メソッド	概要	例
加算	AddDays(d) / AddHours(h) / Add(…)	指定量だけ進める	now.AddDays(7)
減算	上記に負数を渡す	1 週間前	now.AddDays(-7)
差分	Subtract(DateTime)	2 点の差を TimeSpan で返す	var span = A.Subtract(B);
比較	Compare(a,b) / >= 演算子	前後関係を判定	if (start < end) …
日付のみ	Date (プロパティ)	時間部を 0:00 に	dt.Date

TimeSpan は「長さ」を表す構造体。TotalDays / TotalSeconds 等が便利。

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書式化 & 解析（文字列⇄日時）

メンバ	説明	例
ToString()	文化依存の既定書式	dt.ToString()
ToString(“yyyy/MM/dd HH:mm")	カスタム書式文字列	2025/07/22 08:15
ToString(“o")	ISO 8601（ラウンドトリップ）	2025-07-22T08:15:30.0000000+09:00
ParseExact(str, fmt, culture)	書式を固定して解析	“22-07-25".ParseExact(“dd-MM-yy")

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DateTime vs DateTimeOffset

項目	DateTime	DateTimeOffset
Kind フラグ	Local / Utc / Unspecified	代わりに タイムゾーン差 (±hh:mm) を保持
演算	Kind が異なると注意（暗黙変換なし）	どの地域でも “同じ瞬間” を保証
推奨場面	ローカル日付のみ（誕生日など）レガシー API と互換	ログ時刻・DB など地理横断のタイムスタンプ

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よくある落とし穴と対策

シーン	つまずき	ヒント
夏時間 (DST)	AddHours(1) で時刻が「飛ぶ／重複」	面倒な計算は TimeZoneInfo.ConvertTime を使う
文化依存パース	“07/08/2025" → 月日が逆？	ParseExact で固定フォーマットに
DateTime.Now を単体保存	サーバ移行でタイムゾーンがずれる	UTC で持つ or DateTimeOffset を使用

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まず覚える 5 ステップ

1. 取得 ― DateTime.Now / UtcNow
2. 分解 ― Year, Month, Day, Hour …
3. 足し引き ― AddDays, AddHours, Subtract
4. 書式化 ― ToString(“yyyy-MM-dd")
5. 厳密変換 ― ParseExact / DateTimeOffset も検討

これだけで 締切日の計算・ログ出力・ユーザー入力検証 など、日付を扱う典型的な課題を安全にこなせます。慣れてきたら TimeZoneInfo や DateOnly / TimeOnly（.NET 6+）にも触れ、用途に応じた最適な型を選べるようになりましょう。