Gitの仕組みをやさしく解説!
~ファイルの履歴をタイムマシンのように管理する~
1. Gitってなに?
Git(ギット)は、ソースコードやファイルの変更履歴を管理するツールです。
プログラマーやデザイナー、ライターなどが共同作業をするときに欠かせない存在になっています。
なぜ必要なのでしょうか?
たとえば次のような場面を想像してみてください。
- 昨日追加したコードでエラーが出た! → 昨日の状態に戻したい
- チームで同じプログラムを編集したい → 誰がどこを変更したか把握したい
- 過去のバージョンと今の違いを見たい → 差分を確認したい
こういったニーズに答えるのが Git です。
2. 「スナップショット」と「履歴」
Gitの最大の特徴は、ファイルの状態を“スナップショット”として保存していることです。
イメージは、スマホで写真を撮るように「その時点のプロジェクトの状態を丸ごと保存」すること。
この「写真」が積み重なっていくことで、過去の状態に戻ったり、違いを確認したりできるのです。
- コミット (commit)→ スナップショットを撮る操作。「保存」の一歩上のイメージです。
- リポジトリ (repository)→ スナップショット(履歴)をまとめて保管する場所。プロジェクトのアルバムのようなもの。
3. Gitの基本的な流れ
Gitを使う作業の流れは、以下の3ステップです。
- 作業する(ファイルを編集する)
- プログラムを書き直したり、文章を追加したり。
- ステージに乗せる(git add)
- 「次の写真に写すファイルはこれ!」と指定します。
- コミットする(git commit)
- 写真をパシャッと撮る(履歴に残す)。
この繰り返しで履歴がどんどん積み上がっていきます。
4. ブランチで並行作業
Gitの大きな強みは「ブランチ」という考え方です。
- ブランチ(branch) = 作業の枝分かれ
- メインの線(main/master)を残したまま、別の枝を作って自由に実験できます。
- 完成したら「マージ(merge)」で枝を統合できます。
例えるなら:
「本の原稿をみんなで書くとき、コピーを取って修正し、良ければ本編に反映する」イメージです。
5. チーム開発とリモート
Gitは一人でも便利ですが、チーム開発でこそ真価を発揮します。
- 自分のパソコンにあるのが「ローカルリポジトリ」
- ネット上で共有するのが「リモートリポジトリ」
代表的なサービスは GitHub です。
リモートを使うと、
- 他の人の変更を取り込める(git pull)
- 自分の変更を公開できる(git push)
こうして世界中のエンジニアが同じプロジェクトに参加できる仕組みになっています。
6. GitHub Desktopでの操作
「Gitってコマンドが難しそう…」と思った方に便利なのが GitHub Desktop です。
これはGitHubが提供している公式アプリで、ボタン操作だけでGitの基本操作ができるのが特徴です。
GitHub Desktopでできること
- コミット:変更したファイルを選び、メッセージを書いて「Commit」ボタンを押す
- ブランチの作成・切り替え:プルダウンから簡単に選択できる
- プッシュ/プル:ボタンひとつでリモートと同期できる
- 差分の確認:どこを変更したか色付きで表示してくれる
コマンドとの対応表
Gitコマンド | GitHub Desktopでの操作 |
---|---|
git add + git commit | 変更ファイルを選んで「Commit」ボタンを押す |
git branch | Branchメニューで新規作成 |
git checkout | Branchメニューで切り替え |
git push | 「Push origin」ボタンを押す |
git pull | 「Fetch origin」または「Pull」ボタンを押す |
どちらを使うべき?
- 初心者のうち → GitHub Desktopで操作し、視覚的に理解する
- 慣れてきたら → コマンドラインを少しずつ触り、「裏で何が起きているか」を学ぶ
この二段構えで進めると効率よくGitをマスターできます。
7. Gitがわかると何が嬉しい?
- 安心感:間違ってもすぐ戻れる
- 透明性:誰が何をしたかわかる
- 効率:チーム作業がスムーズ
つまり、Gitは「コードの保険」であり「協力の仕組み」でもあるのです。
まとめ
Gitの仕組みを一言で表すと、
「ファイルの過去と現在を、写真のように残して共有できるシステム」。
- コミット = 写真を撮る
- リポジトリ = アルバム
- ブランチ = 作業の枝分かれ
- リモート = チーム共有の場所
- GitHub Desktop = コマンドを打たずに同じことをできるアプリ
初学者はまず GitHub Desktopで感覚をつかみ、慣れてきたら コマンドラインで細かく制御するのがおすすめです。
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