チームを強くする4つの学び–反復学習で見えた適性と協働の価値
はじめに
プログラミングやITの学習は、同じ教材を扱っても人によって得られる成果が全く異なります。
たとえば「同じブログを2週間繰り返して進めなさい」と指示された場合でも、単に作業として終わる人もいれば、新しい工夫や発想を得る人もいます。
本記事では「写経」や「写真撮影」の比喩を使って、学習の取り組み方を4つに分類し、それぞれの性格傾向と職業適性、さらにIT業界での適職について考えてみます。
写経と写真撮影の比喩
プログラミング学習では「写経」という言葉がよく使われます。これはサンプルコードを一字一句書き写すことを指します。
ここで使う比喩は以下のように対応させています:
- 写真を撮る → コピペやツールの操作ブログで「コピペでいい」と書かれている場合、それは「まず写真を撮る」ことにあたります。また「写真を撮る」には単なるコピペだけでなく、Visual Studio の操作方法を習得することや Git の使い方を覚えることも含まれます。つまり、道具を正しく扱えるようになることそのものが「写真を撮る」段階なのです。
- お経 → プログラムコード内容写経の対象である「お経」は、プログラミングにおいては「プログラムコード」そのものです。コードを写すだけでは学びは浅く、そこに込められた意味や構造を理解してこそ、知識として自分のものになります。
この比喩を前提にすると、同じ「2週間コピペして進める」という課題でも、人によって取り組み方や学習の深まり方が大きく異なることが分かります。
4つの学習スタイルと適性
1. 指示を忠実に実行するタイプ
- 特徴:書かれた通りに実行し、余計なことはせず正確さを重視。
- 学習例:写真=コピペ。言われたとおりにコピーして動かす。
- 性格傾向:真面目・慎重・安定志向。
- 向いている一般職:事務、経理、品質管理、サポート業務。💻 IT業界での適職:QAテスター、運用オペレーター、サポートエンジニア。
2. 改善や工夫をするタイプ
- 特徴:同じ課題でも効率化や新しい方法を試す。
- 学習例:コピペだけでなく、自動整形機能やデバッグ機能を工夫して活用。
- 性格傾向:好奇心旺盛・改善意識・効率追求。
- 向いている一般職:営業企画、マーケティング、デザイナー。💻 IT業界での適職:ソフトウェアエンジニア、SRE、UI/UXデザイナー、プロダクトマネージャー。
3. 反復を続けて習得するタイプ
- 特徴:理解や定着に時間はかかるが、粘り強く繰り返して学ぶ。
- 学習例:毎日同じコードをコピペして実行し、少しずつ動作を理解。
- 性格傾向:忍耐力・継続力・安定感。
- 向いている一般職:製造、介護、接客、現場作業。💻 IT業界での適職:保守エンジニア、セキュリティ監視、RPA開発、データオペレーション。
4. 抽象化・意味を考えるタイプ
- 特徴:表面的にコードを写すだけでなく、その背景や構造に着目。
- 学習例:お経=コードの意味を理解しようとし、設計や思想にまで考えを広げる。
- 性格傾向:抽象思考・独創性・本質探究。
- 向いている一般職:研究、教育、コンサルタント、クリエイティブ職。💻 IT業界での適職:システムアーキテクト、AIエンジニア、データサイエンティスト、ITコンサルタント、ゲームプランナー。
チーム開発は社会の縮図
学習を一人で進めるときには、自分のスタイルを意識することが中心になります。
しかし、チーム開発になると状況は一変します。
- 指示通りに進める人がいれば、作業の安定性が増します。
- 改善や工夫をする人がいれば、効率が上がります。
- 粘り強く繰り返す人がいれば、地道に成果が積み重なります。
- 抽象的に考える人がいれば、全体の方向性を示せます。
つまり、ネット上でのチーム開発は、社会の縮図のようなものです。
多様なタイプが集まることで、それぞれの強みが補い合い、弱点がカバーされます。
学習の場で「自分と違うタイプの人がいる」と知ることは、そのまま社会や職場でのチームワークを学ぶことにもつながるのです。
まとめ
- 写真=コピペ、Visual Studio・Gitの操作
- お経=プログラムコード内容
という比喩を通じて、同じ課題でも人によって学び方は大きく異なります。
- 忠実型 → QAや運用に強い
- 改善型 → 開発や企画に強い
- 反復型 → 保守や監視に強い
- 探究型 → 設計や研究に強い
さらに、チーム開発は社会の縮図です。多様なタイプが集まることでチームは強くなり、学習はより深まり、実社会での協働に直結します。
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