Unity & Git チーム開発入門チュートリアル

この資料は、3人グループの開発者向けに、Unityでのゲーム開発とGit(GitHub Desktopを利用したローカル管理)によるバージョン管理を実践的に学ぶためのチュートリアルです。各セクションで基本的な環境構築からチーム開発の流れ、具体的な実装例までを段階的に解説しています。


1. はじめに

目的

  • Unityでのプロジェクト作成と基本操作の習得
  • Git(GitHub Desktopを利用)を用いたバージョン管理とチーム開発のワークフローの理解
  • 3人グループでの役割分担と統合作業の流れの体験

プロジェクト例

  • シンプルな2Dまたは3Dゲーム(例:プレイヤーが障害物を避けるアクションゲーム)

2. 環境構築

2.1 Unityのインストール

  • Unity Hubをインストールし、最新のLTSバージョンのUnityを導入します。
    Unity公式サイト

2.2 GitHub Desktopのインストール

  • Gitのローカル操作は、GitHub Desktopを利用します。
    GitHub Desktop公式サイト からダウンロードしてインストールしてください。

2.3 開発用エディタの準備

  • Unityと連携可能な Visual Studio CodeVisual Studio Community などのエディタを用意します。

3. Gitリポジトリの作成と設定

3.1 リモートリポジトリの作成

  • GitHub、GitLab、Bitbucketなどのホスティングサービスで、プロジェクト用のリモートリポジトリを作成します。
  • 3人全員がアクセスできるよう、コラボレーターとして招待します。

3.2 Unity用.gitignoreの設定

3.3 初期コミット

  • Unityで新規プロジェクトを作成後、プロジェクト全体をGitHub Desktopで初期コミットします。
    GitHub Desktopのインターフェースから「Changes」タブで変更内容を確認し、コミットメッセージを入力して「Commit to main」ボタンをクリックしてください。

4. プロジェクト作成と役割分担

4.1 Unityプロジェクトの作成

  • Unity Hubから新規プロジェクトを作成(2Dまたは3Dテンプレートを選択)。
  • 初期シーン(例:MainScene)を作成し、以下のようなフォルダ構成を用意します:
    • Scripts
    • Scenes
    • Prefabs
    • Art

4.2 3人グループの役割分担例

  • メンバーA:ゲームデザイン&シーン構成
    ゲーム全体のコンセプト設計、シーンレイアウト、レベルデザインを担当
  • メンバーB:スクリプト&ロジック実装
    プレイヤー制御、敵AI、物理挙動などのプログラミングを担当
  • メンバーC:UI&エフェクト、サウンド
    ゲーム内UI(スコア、ライフ表示)やエフェクト、BGM・効果音の実装を担当

※ 各メンバーは自分の担当部分を進めながら、定期的に統合と動作確認を行ってください。


5. GitHub Desktopを使ったチーム開発ワークフロー

5.1 ブランチ戦略

  • メインブランチ(main/master):常に安定した状態を維持
  • 各メンバー専用ブランチ:各自の担当機能ごとにブランチを作成し、作業後にプルリクエストやGitHub Desktop上のマージ機能でmainに統合

5.2 GitHub Desktopの基本操作

  • リポジトリのクローン
    GitHub Desktopを起動し、対象のリモートリポジトリをクローンします。
  • 変更のコミット
    GitHub Desktopの「Changes」タブで、変更内容を確認してコミットメッセージを入力後にコミットします。
  • プッシュとプル
    作業前に「Fetch origin」ボタンで最新の変更を取り込み、作業後に「Push origin」ボタンでリモートリポジトリに変更を反映します。
  • ブランチの切り替え・作成
    必要に応じて、GitHub Desktop上で新しいブランチを作成し、各自の作業内容を分離して進めます。

5.3 マージとコードレビュー

  • GitHub Desktopを使って、プルリクエストを作成し、他メンバーにレビューを依頼します。
  • コードレビュー後、問題がなければmainブランチにマージします。
  • Unityシーンやプレハブの変更はコンフリクトが発生しやすいので、注意深く管理しましょう。

6. プロジェクトの基本機能作成

6.1 ステップ1:基本シーンとプレイヤーの作成

  • シンプルなシーンに、移動可能なプレイヤーキャラクターを配置します。
  • 基本的な移動スクリプトを作成し、プレイヤーが左右・上下に動けるようにします。

6.2 ステップ2:敵キャラクターや障害物の追加

  • ゲームにチャレンジ要素を加えるため、一定間隔で出現する敵や障害物を実装します。
  • 各メンバーが担当部分に合わせ、敵の動作ロジックやスポーン管理を実装します。

6.3 ステップ3:UIの実装

  • ゲーム中にスコアや残りライフを表示するUIを作成します。
  • UIの更新処理は、スクリプトで管理します。

6.4 ステップ4:音やエフェクトの追加

  • 効果音、BGM、パーティクルエフェクトなどを追加し、ゲームの完成度を高めます。

※ 各ステップ終了後に、GitHub Desktopを使って変更をコミットし、チーム内で動作確認を行います。


7. 開発を円滑に進めるためのTips

  • 定期ミーティング:進捗や問題点を共有するため、短いミーティングを定期的に開催する
  • ドキュメントの作成:担当部分や実装内容、Git運用ルールなどをドキュメント化しておく
  • バックアップとブランチ運用:各作業前に新しいブランチを切る習慣をつけ、トラブルに備える

8. まとめ

このチュートリアルを通して、Unityの基本操作とGitHub Desktopを利用したバージョン管理、チーム開発の流れを実践的に学ぶことができます。各メンバーが自分の担当部分に責任を持ちつつ、頻繁なコミュニケーションとコードレビューを行うことで、効率的な開発とスキル向上が期待できます。初めはシンプルな機能から始め、徐々に複雑なシステムに挑戦することで、チーム全体の成長を促しましょう。


参考リンク


この資料を参考に、実際のプロジェクトで手を動かしながら学習を進めてください。チームでの協力と、GitHub Desktopを利用した効率的なバージョン管理が、プロジェクト成功の鍵となります。

Unity,チーム開発

Posted by hidepon