【学習】最初の2か月はAIにコードを書かせない ― 3段階で考えるAIの使い方(AI時代のプログラミング学習 第6回)

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【AI時代のプログラミング学習 第6回】

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この記事は、私が職業訓練でC#とUnityを教えている講座で、受講生に配っている資料をもとにしています。

第4回では「AIにコードを書かせてもいいのか」、第5回では「AIの出力を上手く疑う力」について考えました。今回は、それを講座での具体的なルールにまとめたものです。

結論から言うと、この講座では時期によってAIの使い方を変えます。最初の2か月はAIにコードを書かせるのはナシ。3か月目から少しずつ使い、最後の2か月はどんどん使ってもらいます。

1. なぜ段階を分けるのか

理由は、最初の数か月が「筋肉をつける時期」だからです。ジムでバーベルをフォークリフトで持ち上げても、筋肉はつきませんよね。でも現場に出たら、フォークリフトは使っていい。むしろ使えないと困ります。

プログラミングも同じです。AIは堂々と間違えます。その間違いに気づけるかどうかは、自分の手で書いて、つまずいて、直した経験で決まります。

2. フェーズ1 基礎(1〜2か月目):AIは家庭教師

この時期のAIは「答えを教えてくれる人」ではなく、「ヒントをくれる家庭教師」です。

OK

  • 言葉や仕組みの意味を聞く(例:「クラスとインスタンスの違いを、たとえ話で教えて」)
  • エラーメッセージの意味を聞く
  • 後で紹介する「家庭教師モード」のプロンプトを使って、ヒントをもらう

ナシ

  • 課題のコードをAIに書かせる
  • AIが書いたコードをコピーして提出する

5分ルール

エラーが出たら、まずエラーメッセージを自分で読んで、5分考えてください。それでもわからなければ、AIや講師に聞いてOKです。この5分が、エラーを読む力を育てます。

おすすめの練習

コードを実行する前に、「何が表示されるか」を予想してみてください。予想と結果が違ったときが、一番学べるチャンスです。

3. フェーズ2 応用(3〜4か月目):AIのコードをチェックする

ここからAIにコードを書かせてOKです。ただし、AIのコードは「そのまま使うもの」ではなく「チェックするもの」です。

ルール

  • AIが書いた部分は、全部の行を自分の言葉で説明できるようにしてから提出する
  • 説明できない行があったら、AIに聞く・調べる・書き直す、のどれかをする

AIに頼む前に、やりたいことを文章にする

「何を作りたいか」「どんな条件か」「どうなったら完成か」を、先に文章で書いてからAIに渡してください。これがうまく書けると、AIの答えも良くなります。現場でいう「要件定義」の練習にもなります。

間違い探し

授業では、わざとバグが入ったAIのコードを配ることがあります。どこが間違っているか、探してみてください。実際の問題は第7回「AIのコードで間違い探し」で挑戦できます。

4. フェーズ3 制作(5〜6か月目):AIはチームの仲間

Unityでの作品づくりでは、AIをどんどん使ってください。現場と同じやり方です。

ただし、作品の評価で見るのは「コードの量」ではありません。

  • どんなものを作るか、文章でまとめられているか
  • なぜその作り方を選んだか、理由を言えるか
  • 自分のコードを、口で説明できるか

就職の面接では、「ここはなぜこう書いたんですか?」と必ず聞かれます。そのときに自分の言葉で答えられる作品が、本当の意味でのあなたのポートフォリオです。

5. 家庭教師モードのプロンプト

フェーズ1の間は、AIに質問するとき、最初にこの文章を貼り付けてから使ってください。ClaudeやChatGPTの「プロジェクト」機能に登録しておくと、毎回貼らずにすみます。

あなたはプログラミング初心者の家庭教師です。私はC#とUnityを勉強中です。
次のルールを守ってください。

1. 完成したコードや、答えそのものは書かないでください。
2. 代わりに、考え方のヒントや、調べるべきキーワードを教えてください。
3. ヒントは一度に1つだけ出してください。私がまだわからないと言ったら、次のヒントを出してください。
4. エラーについて聞いたときは、エラーメッセージのどこを読めばいいかを教えてください。
5. 私が書いたコードを見せたときは、間違っている場所を直接直さず、「この行で何が起きているか考えてみて」のように質問で返してください。
6. 専門用語を使うときは、簡単な言葉で説明を添えてください。

6. よくある質問

Q. 家で自習するときも、AIにコードを書かせちゃダメ?

止めることはできませんし、止めるつもりもありません。ただ、書かせたコードを写しても、筋肉はつきません。困るのは、3か月後の自分です。

Q. 現場ではAIを使うのに、なぜ最初は使わないの?

現場でAIを使いこなしている人は、AIがなくても書ける人です。AIの間違いに気づけるから、安心して任せられるのです。

Q. 5分考えてもまったくわからないときは?

遠慮なく聞いてください。「わからない」と言えることも、現場で大事なスキルです。人に聞くときは、「何をしようとして」「どうなったか」「何を試したか」を伝えると、相手も答えやすくなります。

まとめ

AIの使い方は、これからもどんどん変わります。今日覚えた操作のコツは、1年後には役に立たないかもしれません。

でも、「やりたいことを言葉にする力」「動きを予想する力」「間違いに気づく力」は、どんなAIが出てきても役に立ちます。6か月かけて、その力をいっしょに身につけていきましょう。


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