Gitの基本概念

Gitは、バージョン管理システム（VCS）の一種で、ソースコードの変更履歴を管理し、複数人での共同作業を効率的に行えるようにするためのツールです。以下では、Gitの基本概念と使い方について説明します。

バージョン管理とは？

バージョン管理システムは、ソフトウェア開発においてファイルの変更履歴を記録し、過去の状態に戻すことを可能にします。これにより、誤ってファイルを変更・削除しても、簡単に元に戻せます。

Gitの基本概念

• リポジトリ（Repository）: プロジェクトのすべてのファイルとその変更履歴を保存する場所です。ローカルリポジトリ（自分のPC上）とリモートリポジトリ（GitHubなどのサーバー上）があります。

• コミット（Commit）: ファイルの変更をリポジトリに記録する操作です。コミットにはメッセージを付けて、どのような変更を行ったかを説明します。

• ブランチ（Branch）: 一つのプロジェクトの中で、並行して異なる作業を行うための分岐です。通常、“main”や”master”というメインブランチがあり、新機能の開発やバグ修正は別のブランチで行います。

• マージ（Merge）: ブランチで行った変更を他のブランチに統合する操作です。

基本的なコマンドとGitHub Desktopの操作方法比較

1. リポジトリの作成

Git コマンド:

git init

既存のディレクトリを新しいGitリポジトリに変える。

GitHub Desktop:

  1. GitHub Desktopを起動。
  2. メニューから「File」→「New repository」を選択。
  3. 「Name」にリポジトリ名を入力。
  4. 「Local Path」にリポジトリを作成する場所を指定。
  5. 必要に応じて、「Description」を追加し、「Initialize this repository with a README」を選択。
  6. 「Create repository」ボタンをクリック。

次のようにドラッグ&ドロップの方法もあります

2. リポジトリのクローン

Git コマンド:

git clone [リポジトリURL]

リモートリポジトリをローカルにコピーする。

GitHub Desktop:

  1. GitHub Desktopを起動。
  2. メニューから「File」→「Clone Repository」を選択。
  3. 「URL」タブを選択し、リポジトリのURLを入力。
  4. 「Clone」ボタンをクリック。

3. 変更のステージング

Git コマンド:

git add [ファイル名]

変更を次のコミットに含めるためにステージする。

GitHub Desktop:

  1. GitHub Desktopを開き、変更されたファイルが「Changes」リストに表示される。
  2. ステージしたいファイルの横にあるチェックボックスをオンにする。

4. コミット

Git コマンド:

git commit -m "コミットメッセージ"

ステージされた変更をリポジトリに記録する。

GitHub Desktop:

  1. 「Summary」にコミットメッセージを入力。
  2. 必要に応じて「Description」に詳細を追加。
  3. 「Commit to [ブランチ名]」ボタンをクリック。

5. ブランチの作成と切り替え

Git コマンド:

git branch [ブランチ名]
git checkout [ブランチ名]

新しいブランチを作成し、そのブランチに切り替える。

GitHub Desktop:

  1. 左上のブランチ名（通常は"main"）をクリック。
  2. 「New Branch」を選択し、新しいブランチ名を入力。
  3. 「Create Branch」をクリックして新しいブランチを作成し、そのブランチに切り替える。

6. リモートリポジトリの追加

Git コマンド:

git remote add origin [リポジトリURL]

ローカルリポジトリにリモートリポジトリを追加する。

GitHub Desktop:

  1. 新しいリポジトリを作成後、上部の「Publish repository」ボタンをクリック。
  2. 「Name」にリモートリポジトリの名前を入力し、必要に応じて「Description」を追加。
  3. 「Publish repository」ボタンをクリックしてリモートリポジトリを追加。

7. プッシュ

Git コマンド:

git push origin [ブランチ名]

ローカルの変更をリモートリポジトリに送る。

GitHub Desktop:

  1. 上部の「Push origin」ボタンをクリックして変更をリモートリポジトリに送信。

8. プル

Git コマンド:

git pull origin [ブランチ名]
リモートリポジトリの変更をローカルに取り込む。

GitHub Desktop:

上部の「Fetch origin」ボタンをクリックしてリモートリポジトリの最新の状態を取得。
その後「Pull origin」ボタンをクリックして最新の変更をローカルに取り込む。
まとめ
この資料では、Gitの基本的なコマンドとGitHub Desktopの操作方法を比較しました。GitHub Desktopを使えば、視覚的に操作できるため、コマンドラインに慣れていない初学者でも簡単にGitを利用することができます。

バージョン管理,便利機能

Posted by hidepon