Unity Hierarchyビューにおける整理の技術資料

Unityの Hierarchy ビューが乱雑になると、ゲームオブジェクトの管理が難しくなり、作業効率が低下します。特に、プロジェクトが大規模化するにつれ整理整頓が重要になります。本資料では、Hierarchy ビューを効率よく整理するための手順を紹介し、特に空のゲームオブジェクト使用時に 作成と同時に Transform をリセットする 方法について詳しく説明します。


手順 1: グルーピングと空のゲームオブジェクトを活用する

オブジェクトを整理する基本的な方法は、空のゲームオブジェクトを作成し、関連するオブジェクトをグループ化することです。これにより Hierarchy ビューが視覚的に整理され、特定のオブジェクトを簡単に見つけることができます。

作成と同時に Transform をリセットする手順:

  1. Hierarchy ビューで 右クリックCreate Empty で空のゲームオブジェクトを作成します。
  2. 作成と同時に Transform をリセット します。
  • 空のゲームオブジェクトを作成した直後に Inspector ウィンドウで Transform を確認し、以下のようにリセットします:
    • Position: (0, 0, 0)
    • Rotation: (0, 0, 0)
    • Scale: (1, 1, 1)

これにより、子オブジェクトに正しい相対座標が適用され、シーン全体での位置やスケールに不具合が生じることを防ぎます。

空のゲームオブジェクトを作成する際、Transform をリセットしないと、シーン全体に予期しない影響が発生する可能性があります。特に、空のゲームオブジェクトに複数の子オブジェクトをまとめる場合、親オブジェクトの Transform が子オブジェクトに伝播し、位置やスケールがずれてしまうことがあります。

例:

Hierarchy
├── GameManager
├── Environment
│   ├── Trees
│   └── Rocks
├── Characters
│   ├── Player
│   └── NPCs
└── UI
    ├── HealthBar
    └── Score

手順 2: 命名規則を統一する

Hierarchy ビューでの整理には、命名規則の統一が非常に重要です。適切な命名規則を設けることで、特定のオブジェクトを素早く見つけやすくなります。

命名規則の例:

  • プレイヤーキャラクター: PlayerCharacter
  • エネミーキャラクター: EnemyGoblin, EnemyDragon
  • UI要素: UI_HealthBar, UI_Score

命名規則を統一することで、Hierarchy がさらに整理され、同種のオブジェクトを簡単に見つけることができます。


手順 3: 不要なオブジェクトの削除または非表示

開発中に使用しなくなったオブジェクトが Hierarchy に残っている場合、それらは削除または非表示にして整理しましょう。Unityではオブジェクトの左側にあるチェックボックスを外すと、非表示にすることができます。

削除/非表示の手順:

  1. 不要なオブジェクトを選択します。
  2. 右クリック → 「Delete」または「Disable」を選択して削除または非表示にします。
  3. 一時的に非表示にしたい場合は、オブジェクトの名前の左側にあるチェックボックスをオフにします。

手順 4: 階層の深さを制限する

Hierarchy が深すぎると管理が煩雑になり、特定のオブジェクトを探すのに時間がかかります。一般的に、階層の深さは3〜4階層以内に抑えることが推奨されます。

悪い例:

Hierarchy
├── GameManager
│   ├── Player
│   │   └── Weapons
│   │       └── Sword
│   │           └── Effects

良い例:

Hierarchy
├── GameManager
│   ├── Player
│   └── Weapons
│       ├── Sword
│       └── Effects

階層が浅くなることで、オブジェクトを簡単に見つけ、管理しやすくなります。


手順 5: Prefabを活用する

繰り返し使用するオブジェクトをPrefab化することで、整理された状態を保ちながら、オブジェクトを再利用できます。Prefabは特定のオブジェクトを他のシーンやプロジェクト内で一貫して使用できるようにするため、管理がしやすくなります。

Prefab化手順:

  1. Hierarchy ビューでオブジェクトを選択。
  2. 選択したオブジェクトをプロジェクトビューにドラッグ&ドロップして Prefab に変換。
  3. Prefab化されたオブジェクトは、プロジェクトビューからシーンに簡単に再利用可能です。

手順 6: ラベルやカラーを活用する(エディタ拡張が必要)

標準のUnityでは、Hierarchy ビューにラベルやカラーを付ける機能はありませんが、エディタ拡張ツールを使用すると、ゲームオブジェクトにラベルを付けたり、色分けして視覚的に整理することが可能です。これにより、重要なオブジェクトやグループが一目で識別でき、整理が一層容易になります。

例:

  • 「Rainbow Hierarchy(有料)」などのエディタ拡張ツールを使用すると、Hierarchy ビューでオブジェクトに色をつけてグループ化できます。

注意事項: 空のゲームオブジェクトの作成と Transform リセットの重要性

空のゲームオブジェクトを作成する際、Transform をリセットしないと、シーン全体に予期しない影響が発生する可能性があります。特に、空のゲームオブジェクトに複数の子オブジェクトをまとめる場合、親オブジェクトの Transform が子オブジェクトに伝播し、位置やスケールがずれてしまうことがあります。


まとめ

Hierarchy ビューを整理する際には、まず空のゲームオブジェクトを作成してオブジェクトをグループ化し、その直後に必ず Transform をリセットすることが重要です。命名規則の統一、不要オブジェクトの削除、階層の深さを抑えるなどの手順を実践することで、整理されたプロジェクト環境を構築し、プロジェクト全体の効率を向上させることができます。

この技術資料を活用し、効率的で整理されたUnityプロジェクトの管理を実現してください。

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Posted by hidepon