C#で静的メソッドとインスタンスメソッドを理解しよう

2025年1月15日

C#のプログラムでよく登場する「static」について、「静的メソッド」と「インスタンスメソッド」の違いをわかりやすく解説します。また、静的メソッド同士の関係についても触れます。

1. 1. 静的メソッド (staticメソッド)とは？
- 1.1. 静的メソッドの例
2. 2. インスタンスメソッドとは？
- 2.1. インスタンスメソッドの例
3. 3. 静的メソッドから呼べるもの、呼べないもの
4. 4. 静的メソッドを使う場面
- 4.1. 静的メソッドの活用例
5. 5. まとめ

1. 静的メソッド (`static`メソッド)とは？

クラスに属するメソッドで、インスタンスを作らなくても呼び出せます。
インスタンス固有のデータ（フィールドやプロパティ）にはアクセスできません。
他のstaticメソッドやstaticフィールドには自由にアクセスできます。

静的メソッドの例

class MyClass
{
    public static void StaticMethod1()
    {
        Console.WriteLine("これはStaticMethod1です！");
    }

    public static void StaticMethod2()
    {
        // 同じクラス内の他の静的メソッドを呼び出せる
        StaticMethod1();
        Console.WriteLine("これはStaticMethod2です！");
    }
}

// 呼び出し例
MyClass.StaticMethod2();

出力:

これはStaticMethod1です！
これはStaticMethod2です！

2. インスタンスメソッドとは？

特定のインスタンスに属するメソッドです。
インスタンス固有のデータ（フィールドやプロパティ）を操作できます。
インスタンスを作成してから呼び出します。

インスタンスメソッドの例

class MyClass
{
    private int instanceValue = 42; // インスタンスごとの値

    public void InstanceMethod()
    {
        Console.WriteLine($"インスタンスの値: {instanceValue}");
    }
}

// 呼び出し例
MyClass obj = new MyClass();
obj.InstanceMethod();

出力:

インスタンスの値: 42

3. 静的メソッドから呼べるもの、呼べないもの

呼べるもの

他の静的メソッド
- 同じクラス内の静的メソッド同士は自由に呼び出せます。
- インスタンスを必要としないため、安全に動作します。
静的フィールドや静的プロパティ
- 静的フィールドもクラス全体に属するため、自由にアクセスできます。

呼べないもの

インスタンスメソッドやインスタンスフィールド
- インスタンスが存在しないとアクセスできないため、静的メソッドからは直接呼べません。

静的メソッドからのアクセス例

class MyClass
{
    private static int staticValue = 100; // 静的フィールド
    private int instanceValue = 42;       // インスタンスフィールド

    public static void StaticMethod1()
    {
        Console.WriteLine($"静的フィールド: {staticValue}");
    }

    public static void StaticMethod2()
    {
        StaticMethod1(); // 他の静的メソッドを呼べる
    }

    public void InstanceMethod()
    {
        Console.WriteLine($"インスタンスフィールド: {instanceValue}");
    }

    public static void StaticMethod3()
    {
        // インスタンスメソッドは直接呼べない
        // InstanceMethod(); // コンパイルエラー

        // インスタンスを作れば呼び出せる
        MyClass obj = new MyClass();
        obj.InstanceMethod();
    }
}

4. 静的メソッドを使う場面

静的メソッドは次のような場面で使うのが便利です。

インスタンスに依存しない処理
- 例: 数学的な計算、日付や文字列の操作。
クラス全体で共有する処理
- 例: ログ記録、設定の管理。

静的メソッドの活用例

class MathUtils
{
    public static int Add(int a, int b)
    {
        return a + b;
    }

    public static int Multiply(int a, int b)
    {
        return a * b;
    }
}

// 呼び出し例
int sum = MathUtils.Add(3, 5);         // 結果: 8
int product = MathUtils.Multiply(3, 5); // 結果: 15
Console.WriteLine($"合計: {sum}, 積: {product}");