アプリケーション制作総合実習(最終3週間)に向けた注意事項とアドバイス
目次
1. 目的を明確にする
- 何を作るのか、誰に使ってほしいのか、どの技術を見せたいのかを明確にする。
- 自己満足ではなく、ポートフォリオとして「他者に伝わる作品」を意識する。
2. スケジュール管理の目安(3週間)
期間 | 重点項目 |
---|---|
第1週 | コア機能の実装(基本動作、UI、画面遷移など) |
第2週 | 拡張機能、UI調整、バグ修正 |
第3週 | プレゼン準備、ビルド、ポートフォリオ整備 |
- 1日単位での作業目標を設定し、進捗を「見える化」する。
3. 完成を最優先にする
- 最終的に「動く作品」を提出できることを第一目標とする。
- こだわる点と割り切る点を判断し、計画的に進める。
4. 素材制作と実装のバランスを考える
- イラストや3Dモデル、BGMなどが得意な方は、その魅力を作品に活かすことは大いに歓迎されます。
- ただし、それらの制作に全体の時間の多くを費やしすぎると、機能の完成やプレイアビリティに影響が出る可能性があります。
- 視覚・聴覚のクオリティは大切ですが、それを「作品としての完成度」につなげるためにはシステム面の完成とのバランスが不可欠です。
- フリー素材を一部併用する、下描き段階で機能実装を進めるなど、時間配分を意識した工夫が有効です。
5. 技術的な中身に集中する
- 実装面で力を入れるべきポイント:
- プレイヤー操作や当たり判定
- ステージやレベル設計
- スコアやセーブ・ロードの仕組み
- シーン管理やイベント制御
- 「技術的な工夫」が伝わるよう意識して設計する。
6. GitHubを活用する
- 毎日Pushする習慣をつけ、万一のトラブルに備える。
- READMEやスクリーンショット、リリースファイルを整理し、ポートフォリオに使える状態にする。
7. 作業の記録を残す
- スクリーンショットや動画、実装時の工夫点を記録しておく。
- 発表やポートフォリオ作成時に再利用できる。
8. 質問をためこまず、自分の言葉で整理してから相談する
- 自分で調べ、考えたうえでどうしても解決しないことは、早めに相談してください。
- 「何が分からないのかが分からない」状態でも、まずは自分なりの言葉で状況を説明することが大切です。
- すぐに答えを求めるのではなく、「どうすれば解決できるか」を一緒に考える姿勢を持ちましょう。
※考えることを放棄した「丸投げ相談」ではなく、解決の糸口を一緒に探すための相談を心がけましょう。
9. 他の作品から学ぶ姿勢を持つ
- 他の受講者の進捗を観察し、良い点を参考にする。
- 他人と比べて焦るのではなく、自分の改善に役立てる。
10. 就職活動にポートフォリオとしての活用を考えている方へ
- 就職活動を意識している方は、「自信の一作」として提出できる作品を目指しましょう。
- 作品の中で苦労した点・工夫した点・こだわった部分を、自分の言葉で説明できるようにしておくと、面接やポートフォリオでの説得力が高まります。
- ただし、すべての人が就職に使うことを前提としているわけではありません。現在は自信がなくても構いません。
- この取り組みが後で役立つ可能性があることだけ、心の片隅に置いておいてください。
- 「必ず就職用に仕上げなければいけない」とプレッシャーに感じる必要はありません。むしろ、「自分の成長を整理する機会」くらいの気持ちで取り組むのがちょうどよいでしょう。
11. 新機能にこだわりすぎない
- Unityの新しい機能(UI Toolkit、DOTS、Shader Graphなど)に魅力を感じるのは自然なことですが、習得自体に時間をかけすぎると、作品の完成が遅れるリスクがあります。
- 卒業制作は、「新機能に触れた経験」ではなく、自分の設計力・実装力を形にする機会です。
- 安定した基本機能を使って完成度を高める方が、就職後にも再現性のある評価につながりやすいです。
- 新しい機能の習得は、「今後の伸びしろ」としてポートフォリオや面接で言語化するのが効果的です。
最後に:卒業制作は「終わり」ではなく「はじまり」
卒業制作の完成は、あなたのこれまでの努力の集大成であると同時に、次の学びや成長へつながる通過点でもあります。
- ゲーム制作やプログラミングに取り組んできた経験は、たとえ職業として選ばなくても、論理的思考力、問題解決力、創造力といった形で、今後の人生に活きていきます。
- 「どうやったらもっと面白くなるか?」「もっと効率よく作れないか?」と考えながら手を動かしてきた時間は、一生ものの学びです。
- 卒業後も、プログラミングを「勉強」と捉えるのではなく、自分自身を深める“知的な趣味”や“創作の手段”として続けてみてください。
完成より大切なのは「続けられる自分を育てること」です。
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