.NETには何個のクラスが定義されているのか?
〜.NETの奥深さを数字で体感しよう〜
C#やVB.NETなどの開発で使われている.NETですが、「いったい.NETにはどれくらいのクラスが用意されているのか?」と疑問に思ったことはありませんか?
今回は、.NETの「クラス数」に注目して、ざっくりとした全体像と数の目安をお伝えします。
■ 結論:.NETには約1万〜2万のクラスが存在!
.NETには、マイクロソフトが提供する標準ライブラリ(.NET API)として、1万〜2万以上のクラスが定義されています。
対象フレームワーク | 公開クラス数の目安 |
---|---|
.NET Framework 4.8 | 約13,000~15,000 |
.NET 6 / .NET 7 / .NET 8 | 約17,000~20,000 |
.NET Standard 2.1 | 約10,000 |
※「クラス数」には、SystemやMicrosoftなどの名前空間に属するものを含みます。
※構造体(struct)、列挙型(enum)、インターフェース(interface)などは別カウントです。
■ なぜそんなに多いの?
.NETは、次のような機能をすべてカバーする巨大な開発基盤だからです。
- ファイル操作
- ネットワーク通信
- UI(WinForms / WPF / MAUI)
- データベースアクセス(ADO.NET / Entity Framework)
- 暗号化・セキュリティ
- スレッド・非同期処理
- 画像・音声・動画の扱い
- HTTP / REST API
- コレクション(List, Dictionaryなど)
- 数学・統計
これらすべてに関連するクラスが揃っているため、万単位の型が用意されているのです。
■ クラス数を実際に調べてみよう(C#での例)
下記のコードは、mscorlib(.NET Framework)や System.Private.CoreLib(.NET 6以降)に含まれる「publicなクラス数」を数える例です:
using System;
using System.Linq;
using System.Reflection;
class Program
{
static void Main()
{
var coreAssembly = typeof(object).Assembly;
int count = coreAssembly
.GetTypes()
.Count(t => t.IsClass && t.IsPublic);
Console.WriteLine($"coreアセンブリ内のpublicクラス数: {count}");
}
}
実行結果はバージョンによって異なりますが、たとえば.NET 6では800個以上のpublicクラスがSystem.Private.CoreLibに含まれています。
これは.NET全体のごく一部にすぎません。
■ どう活用すればよいのか?
数が多くても、すべてを覚える必要はありません。
重要なのは、
必要なときに、探せるようになること。
.NET公式ドキュメントやVisual Studioのインテリセンスを活用して、必要なクラスを都度調べていけば問題ありません。
■ まとめ
- .NETには 1万~2万以上のクラスが含まれている
- ファイル操作からUI、通信、暗号化まで、広範囲に対応
- 必要なものを 検索・発見・再利用する力が大切
.NETは非常に充実した開発基盤です。クラスの多さは、それだけ「やりたいことが実現しやすい」という証でもあります。
開発の中で、「これって.NETにすでにあるのでは?」という目で見ていくと、成長スピードがぐんと上がりますよ!
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