メモリーインターリーブとは何か
― 教科書どおりに理解する ―
はじめに
基本情報技術者試験や職業訓練校の教材では、
主記憶装置の高速化技術として メモリーインターリーブ が登場します。
教科書では次のように説明されています。
メモリーインターリーブとは、CPUから主記憶装置へのアクセスを高速化するために、主記憶装置内部を複数のバンクに分割し、各バンクに並列にアクセスする方式である。
この記事では、この 教科書の説明に沿ってメモリーインターリーブの考え方を整理します。
メモリーインターリーブの基本的な考え方
主記憶装置へのアクセスは、CPUの処理速度と比べると遅く、その待ち時間が性能低下の原因になります。
そこで用いられるのが メモリーインターリーブ です。
ポイントは次の2点です。
- 主記憶装置を 複数のバンク に分ける
- 複数のバンクに 並列にアクセス する
これにより、主記憶装置へのアクセスが高速化されます。
1バンクの場合
まず、主記憶装置が 1つのバンク しか持たない場合を考えます。
- CPUは、1つのバンクに対して順番にアクセスする
- 次のデータを取得するまで、待ち時間が発生する
このように、アクセスが 直列的 になるため、CPUは待たされる時間が多くなります。
複数バンク(インターリーブ)の場合

次に、主記憶装置を 複数のバンク に分けた場合です。
例えば、4バンク構成では、
- 主記憶装置がバンクA・バンクB・バンクC・バンクDに分割されている
- CPUは、これらのバンクに 並列にアクセス できる
この結果、
- あるバンクにアクセスしている間に
- 別のバンクにもアクセスできる
ようになり、待ち時間が減少 します。
図で見る:1バンクと4バンクの比較
- 1バンク構成→ アクセスが直列になり、待ち時間が多い
- 4バンク構成(メモリーインターリーブ)→ 複数バンクに並列アクセスでき、待ち時間が少ない

図に書いている 「図では「読み出し」と書いていますが、これは「読み出し命令を出して、準備している時間だと思ってください。
実際のデータは、少し後でバスを通って届きます。
厳密に言うと「時間差はあります」
ただし、教科書レベルでは無視してよい差です。ここを切り分けて説明します。
結論(短く)
- 厳密には4バンクの A0〜A3 の読み出しは完全な同時開始ではなく、わずかな時間差があります。
- 教科書・試験レベルでは「並列に読み出している」と考えて問題ありません。
なぜ時間差が生じるのか(厳密な話)
4バンクといっても、現実のハードウェアでは:
- CPU(メモリコントローラ)がアドレス要求を 順に発行する
- 各バンクがそれぞれのタイミングで内部動作を開始する
ため、
- Bank0 → Bank1 → Bank2 → Bank3と 数クロック未満のズレが生じます。
これは、
- コマンド発行順
- 内部配線
- タイミング制約
によるものです。
それでも「並列」と呼ぶ理由
重要なのはここです。
- 1バンクの場合→ 前の読み出しが完全に終わるまで次に進めない
- 4バンクの場合→ 前の読み出しが進行中でも、次のバンクを動かせる
つまり、
処理が重なって進行している
という意味で「並列」と呼んでいます。
図との関係(今回の図は正しいか)
今回作成した図では:
- A0〜A3 の読み出しを同一の横バーで表現
していますが、これは:
- 教科書どおりの抽象化
- 試験対策として正しい表現
です。
もし厳密に描くなら:
- A0, A1, A2, A3 のバーを少しずつずらして重ねる
形になります。
1つのバンクを取り出して比較

4バンクの場合

まとめ
- 4バンクの読み出しは完全同時ではない
- しかし重なって進行する
- そのため「並列アクセス」と表現する
「並列にアクセスする」とはどういう意味か
教科書でいう 「並列にアクセスする」 とは、
- CPUが主記憶装置内部の複数バンクに対して
- 同時にアクセス要求を出せる
という意味です。
これにより、アクセスの重なりが生まれ、全体として高速になります。
試験で押さえるポイント
基本情報技術者試験では、
メモリーインターリーブについて次の点を理解していれば十分です。
- 主記憶装置を複数のバンクに分割する
- 各バンクに並列にアクセスすることで高速化する
- 主記憶装置のアクセス時間短縮が目的である
細かな内部構造まで理解する必要はありません。
実効アクセス時間との関係
試験では、キャッシュメモリと組み合わせて実効アクセス時間 を計算する問題がよく出題されます。
この場合、
- キャッシュヒット時は高速
- ミス時は主記憶装置にアクセス
という前提で、次の式を用います。
実効アクセス時間 = キャッシュメモリのアクセス時間 × ヒット率 + 主記憶装置のアクセス時間 ×(1 − ヒット率)
メモリーインターリーブは、この 主記憶装置のアクセス時間を短縮する技術 の一つです。
まとめ
- メモリーインターリーブは、主記憶装置の高速化技術である
- 主記憶装置を複数のバンクに分割する
- 各バンクに並列にアクセスすることで待ち時間を減らす
- 試験では教科書の説明どおり理解すればよい
一文で覚えるなら
メモリーインターリーブとは、主記憶装置を複数のバンクに分割し、並列にアクセスすることで高速化する方式である。


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