【Unity】Physics.RaycastNonAllocとPhysics.RaycastAllの違い

2023年9月26日

Physics.RaycastNonAlloc と Physics.RaycastAll は、Unityエンジンの Physics クラスのメソッドで、両方とも Ray と RaycastHit のパラメータを受け取り、レイキャストを実行して衝突情報を返します。しかし、これらの2つのメソッドには以下のような違いがあります。

メモリ管理の違い

Physics.RaycastNonAlloc は、レイキャストの結果を配列に格納し、その配列を引数として受け取ります。このメソッドは、配列のサイズを指定する必要があります。つまり、このメソッドは、配列のメモリ管理を開発者が行うため、メモリ管理に関する柔軟性があります。

一方、 Physics.RaycastAll は、配列を自動的に作成し、結果をその配列に格納します。このメソッドは、配列のサイズを指定する必要がなく、自動的に必要なサイズに拡張されます。このメソッドは、配列のメモリ管理を自動的に処理するため、メモリ管理に関する柔軟性が少なくなります。

返されるデータの違い

Physics.RaycastNonAlloc は、レイキャストの結果を配列に格納します。この配列には、衝突したオブジェクトの情報が含まれます。これに対し、 Physics.RaycastAll は、レイキャストが成功した場合には RaycastHit オブジェクトを返します。このオブジェクトには、衝突したオブジェクトの情報が含まれます。

したがって、 Physics.RaycastNonAlloc は、配列を使用するため、複数の衝突情報を収集する場合に便利です。一方、 Physics.RaycastAll は、単一の衝突情報を取得する場合に便利です。

パフォーマンスの違い

Physics.RaycastNonAlloc は、配列を受け取るため、メモリの割り当てが少なくなります。一方、 Physics.RaycastAll は、配列の割り当てとメモリの解放を自動的に処理するため、オーバーヘッドが増える可能性があります。したがって、 Physics.RaycastNonAlloc は、高速なパフォーマンスを必要とする場合に便利です。

つまり、 Physics.RaycastNonAlloc と Physics.RaycastAll のどちらを使用するかは、開発者が目的に応じて判断する必要があります。複数の衝突情報を収集する必要がある場合には、 Physics.RaycastNonAlloc を使用し、単一の衝突情報を取得する場合には Physics.RaycastAll を使用することが一般的です。また、メモリ管理に関する柔軟性が必要な場合には Physics.RaycastNonAlloc を使用し、高速なパフォーマンスが必要な場合には Physics.RaycastAll を使用することが推奨されます。

さらに、 Physics.RaycastAll という別のメソッドもあります。このメソッドは、レイキャストが衝突したすべてのオブジェクトの情報を含む RaycastHit[] を返します。 Physics.RaycastAll は、すべての衝突情報が必要な場合に便利ですが、パフォーマンスに影響がある場合があります。また、メモリ管理に関する柔軟性が少なく、メモリの割り当てと解放が発生するため、 Physics.RaycastNonAlloc と同様の注意が必要です