最新の.NETバージョンとC#の関連性

1. はじめに

Microsoftの.NETプラットフォームは進化を続けており、それに伴いC#の言語機能も拡張されています。本資料では、最新の.NETバージョンとC#の関連について整理し、各バージョンで導入された新機能を解説します。

2. .NET の最新バージョンと C# の対応

.NET バージョン対応する C# バージョン
.NET 5C# 9
.NET 6 (LTS)C# 10
.NET 7C# 11
.NET 8 (LTS)C# 12
.NET 9 (予定)C# 13 (予想)

3. .NET の進化による C# への影響

.NET 6 (LTS) + C# 10

  • レコード構造体 (record struct)
  public record struct Point(int X, int Y);

→ 値型のレコードを使うことで、メモリ効率が向上。

  • グローバル using ディレクティブ
  global using System;

→ プロジェクト全体で共通の using を設定できる。

  • ファイルスコープ名前空間
  namespace MyNamespace;

→ 余分な {} を省略可能。

.NET 7 + C# 11

  • Raw string literals(生の文字列リテラル)
  string json = """
  {
    "name": "John",
    "age": 30
  }
  """;

→ インデントを維持したまま複数行文字列を記述可能。

  • ジェネリック数学 (INumber<T>)
  static T Add<T>(T a, T b) where T : INumber<T>
  {
      return a + b;
  }

→ 数値型を汎用的に扱える。

.NET 8 (LTS) + C# 12

  • プライマリコンストラクタ
  class Person(string name, int age)
  {
      public string Name { get; } = name;
      public int Age { get; } = age;
  }

→ クラスのコンストラクタとプロパティを簡潔に記述可能。

  • コレクションリテラル
  int[] numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

→ より簡潔に配列やリストを初期化。

.NET 9 (予定) + C# 13 (予想)

  • さらなるパフォーマンス最適化
    • Span<T>Memory<T> の拡張
    • 新しい非同期パターンの導入
    • コンパイル時により多くの最適化を適用
  • AI・機械学習向けの新API
    • .NET 9 は AI やクラウド向けの拡張が進むため、それに対応する新しい C# 機能が追加される可能性あり。

4. まとめ

  • .NET のバージョンアップに伴い、C# の言語機能も進化。
  • .NET 8 では AI やクラウドに強化が入り、C# 12 ではより簡潔で直感的な記述が可能になった。
  • .NET 9 ではさらなるパフォーマンス向上が期待され、C# 13 でも新しい最適化が追加される可能性がある。

C# の新機能を活用することで、最新の .NET でより効率的な開発が可能になります。

C#,バージョン

Posted by hidepon