初学者がゼロから「ターン制バトル RPG コンソール版」を企画・設計する流れ

この記事(ソフトライム post-24833)で完成形を体験したあと、次の作品を自分で設計・実装できるようになることがゴールです。以下では “授業課題” を想定し、最小構成 → 段階的拡張 の手順を具体化します。


0️⃣ アイデアの種を言語化する

ステップ具体的アウトプットポイント
テーマを決める例)「1 対 1 のシンプルなバトル」「HP と通常攻撃だけ」欲張らない:仕様爆発は挫折の温床
遊びのループを文章で書く“プレイヤー→敵→プレイヤー…”のループが決着まで続く英語 1 行で言えるレベルまで削る
MVP(最小実用製品)を決める「攻撃が当たって HP が 0 になったら勝敗」完成後の達成感=継続のエンジン

1️⃣ プロジェクトを作る

Visual Studio → コンソール アプリ (.NET Framework 4.8) → プロジェクト名を付ける。記事では TurnBasedRpgFw48 が例示されています 。


2️⃣ フォルダーを切って責務を分離

TurnBasedRpg/
├─ Models/    ← 名詞(データ + 最小限の挙動)
└─ Services/  ← 動詞(ゲーム進行など手続き)

Models と Services の 2 層だけで SRP(単一責任原則) を満たし、後工程の拡張やテストも楽になります 。


3️⃣ ドメインモデル(Models)の設計

クラス役割主なメンバー
Character (抽象)共通プロパティを集約Name, HP, AttackPower, Act()(抽象)
Player / Enemyキャラ固有の振る舞いAct() を具体実装(人間操作 or ランダム AI)
  • 手を動かす前にクラス図を描くと、実装時の迷走を防げる
  • 初学者は 「追加プロパティは後からでも付けられる」 ことを体験するのが大切

4️⃣ サービス層(Services)の設計

クラス責務コツ
Battle参加者を管理し、ターンループで勝敗を決定– コンストラクタ DI で Player, Enemy を受け取る- Run() 内部で while ループ+Act()

テンプレートメソッド発想

Battle.Run() が “ゲーム進行の型” を先に書き、細部は各 Character が埋めるイメージです。


5️⃣ エントリーポイント(Program.cs)を最小に保つ

var battle = new Battle(
    new Player("勇者アリス"),
    new Enemy("スライム"));
battle.Run();
  • 「Main は 3 行で済む」 を合言葉に。
  • 余計な初期化は Service 層へ押し出して疎結合に。

Program.cs の詳細は記事の 5 章で分解されています 。


6️⃣ 手元でビルド & プレイテスト

  1. Ctrl + F5 でデバッグなし実行
  2. コンソールにログが流れ、HP が 0 になれば成功 
  3. バグが出たら ステップ実行 と Console.WriteLine で即確認
    • 小さな修正 → 再ビルド → 即テストの短サイクルを習慣に

7️⃣ 振り返り → 発展課題を洗い出す

よくある拡張必要な知識優先度
複数敵・味方List<ICharacter> と LINQ★☆☆
スキル / 魔法インターフェース, デリゲート★★☆
GUI 版 (WinForms)型の再利用, MVC★★★

記事の「発展課題」章(★☆~★★★)をロードマップに使うと段階的に学べます 。


8️⃣ 設計ドキュメントを残す

  • README に次を記載
    1. ゲーム概要(1 ~ 2 行)
    2. フォルダー構成
    3. クラス図・シーケンス図(PlantUML 推奨)
    4. ビルド手順と実行例
  • GitHub に push → 学習ポートフォリオ として活用

まとめ — “作る前の設計” を身に付けるコツ

  1. MVP を決める:仕様を削る勇気
  2. 名詞⇔動詞でフォルダー分け:迷わない場所作り
  3. まず図にする:紙 1 枚で関係を把握
  4. Main は 3 行:エントリーポイントを汚さない
  5. 短いテストループ:作って壊して直す速度を最優先

このサイクルを一度回せば、次は「インベントリ機能を追加したい」「状態異常を実装したい」といった機能拡張を自力で設計できるようになります。まずは記事通りに完成形を動かし、その経験を出発点に 小さく設計 → 実装 → 振り返り を繰り返してみてください。

訪問数 1 回, 今日の訪問数 1回

C#,設計,開発

Posted by hidepon