ping・arp・tracertの違いが一発で分かる技術解説

ネットワークの学習やトラブルシューティングで、必ず登場するコマンドが ping / arp / tracert です。

しかし初学者にとっては、

  • どれも「通信確認っぽい」
  • 何が違うのか分からない
  • いつ使い分けるのか曖昧

となりがちです。

この記事では、役割・階層・試験での問われ方の観点から、3つのコマンドを整理します。


まず結論(ざっくり比較)

コマンド何を確認する?一言で言うと
ping相手と通信できるかネットワーク層生きてる?
arpIPとMACの対応データリンク層宛先の正体は誰?
tracert通過経路ネットワーク層どこを通ってる?

ping:通信できるかを確認する

役割

  • 相手に ICMP Echo Request を送る
  • 応答(Echo Reply)が返るかを確認

分かること

  • 通信できる / できない
  • 応答時間(遅延)

分からないこと

  • 途中経路
  • なぜ遅いか

実行例

ping www.example.com

イメージ

「声をかけて、返事があるか」


arp:IPアドレスの正体を調べる

役割

  • IPアドレスに対応する MACアドレス を調べる
  • 同一LAN内でのみ有効

なぜ必要?

通信の最終的な相手は MACアドレス だからです。

IP = 論理的な住所

MAC = 実際の家そのもの

実行例

arp -a

分かること

  • このPCが知っている
  • IPとMACの対応表(ARPテーブル)

イメージ

「この住所に住んでる人、誰?」


tracert:どこを通っているかを見る

役割

  • 宛先までの 通過ルータ(hop) を表示
  • 各区間の遅延時間も分かる

仕組み(重要)

  • TTL(Time To Live)を 1 → 2 → 3 … と増やす
  • TTL が 0 になった地点から ICMP が返る

実行例

tracert www.example.com

参考)ただし、経由ルートは最近は出ません:後述

 tracert www.amazon.co.jp

表示の意味

  • hop番号:通過地点
  • ms:往復時間
  • * * *:ICMPを返さない装置(故障ではない)

イメージ

「目的地までの道順を聞く」


なぜ tracert は見えないことが多いのか

最近のネットワークでは:

  • CDN
  • Anycast
  • セキュリティ対策
  • MPLS

により、途中経路を見せない設計が一般的です。

そのため、

  • hop が 1 で終わる
  • 途中が * * *

という結果は、異常ではなく正常です。


3つのコマンドの関係(流れで理解)

  1. arp
    • 近くの相手の正体確認
  2. ping
    • 通信できるか確認
  3. tracert
    • 問題があれば経路を調査

👉 トラブル対応はこの順番が基本です。


基本情報技術者試験との関係

よく問われるポイント

  • ping:疎通確認
  • arp:IPとMACの対応
  • tracert:TTLとICMP

引っかけ注意

  • * * * = 通信失敗 ❌
  • hop数が少ない=近い ❌

まとめ

  • ping:生きてる?
  • arp:誰?
  • tracert:どう行く?

この3つを役割と層で整理できれば、ネットワークの理解は一段レベルアップします。

教科書だけでなく、実際にコマンドを打って結果を見ることで、「ネットワークは設計で動いている」ことが実感できます。

じょほう

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