静的クラスの使い方(Visual Studioを使ったチュートリアル)
目次
はじめに
このチュートリアルでは、Visual Studioを使って静的クラスを作成し、簡単なプログラムを動かしてみます。
静的クラスとは?
静的クラスの基本
静的クラスとは、C#で static
修飾子を持つ特別なクラスのことです。以下の特徴があります。
- インスタンス化不可
- 静的クラスはインスタンス(
new
キーワードによるオブジェクト生成)ができません。直接クラス名を使ってアクセスします。
- 静的クラスはインスタンス(
- 静的メンバーのみを持つ
- 静的クラスの中には、静的なメソッドや変数しか定義できません。
- 共通の処理やデータを管理するために使用
- アプリケーション全体で利用される汎用的な処理をまとめるために便利です。
静的クラスの用途
静的クラスは、次のような場面でよく使われます。
- 数学計算や文字列操作などのユーティリティ処理
- 定数の管理
- プログラム全体で共有される設定値の保持
- 拡張メソッドの定義
ステップ1: プロジェクトの作成
- Visual Studio を起動します。
- [新しいプロジェクトの作成] をクリックします。
- [C# コンソール アプリ] を選択し、[次へ] をクリックします。
- ソリューション名には
Chapter
XXと入力し、プロジェクト名はStaticClassExample
として [作成] をクリックします。
ステップ2: 静的クラスを作成する
- ソリューションエクスプローラーでプロジェクト名を右クリックし、[追加] -> [新しい項目] を選択します。
- [クラス] を選択し、名前を
MathUtilities.cs
に変更して [追加] をクリックします。 - クラスの中身を以下のように編集します。
public static class MathUtilities
{
public static int Add(int a, int b)
{
return a + b;
}
public static int Subtract(int a, int b)
{
return a - b;
}
}
このコードでは、Add
メソッドと Subtract
メソッドを持つ静的クラスを作成しています。
ステップ3: 静的クラスを使用する
Program.cs
ファイルを開きます。Main
メソッド内に以下のコードを追加します。
using System;
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
int resultAdd = MathUtilities.Add(10, 5);
int resultSubtract = MathUtilities.Subtract(10, 5);
Console.WriteLine($"Addition Result: {resultAdd}");
Console.WriteLine($"Subtraction Result: {resultSubtract}");
}
}
このコードでは、静的クラス MathUtilities
を使って数値を加算・減算しています。
ステップ4: プログラムを実行する
- [実行] ボタン(または
F5
キー)を押します。 - コンソールウィンドウに以下のような出力が表示されます。
Addition Result: 15
Subtraction Result: 5
これで静的クラスの使用が確認できます。
注意点
static
修飾子を忘れない- 静的クラスのメンバー(メソッドや変数)はすべて
static
である必要があります。
- 静的クラスのメンバー(メソッドや変数)はすべて
- 名前空間の衝突に注意
- 同じ名前空間に同名の静的クラスが存在するとエラーになります。
- 用途に合った設計を心がける
- 静的クラスは主に共通処理をまとめるために使用します。
まとめ
- 静的クラスは、インスタンスを作らずに共通の処理を提供する便利な仕組みです。
- Visual Studio を使って静的クラスを簡単に作成し、利用する方法を学びました。
- 静的クラスはユーティリティ的な役割で便利に使えます。
まずはこのチュートリアルを参考に、自分で別の静的クラスを作成してみてください!
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