「わかる」とは — 説明できること
“理解とは、自分の言葉で他者に伝えられる状態である”
目次
1. なぜ「説明できるか」を基準にするのか
観点 | 暗記中心の理解 | 説明できるレベルの理解 |
---|---|---|
記憶の定着 | 表層的で忘れやすい | 構造化され長期記憶に残る |
応用力 | パターン外で詰まる | 原理を応用して解決できる |
自信 | “なんとなく…” | “○○だから△△になる”と確信 |
2. 具体的な判定方法
- Feynman Technique
- 白紙にテーマを書く
- “中学生に教えるつもり”で説明文を書く
- 書けなかった所=理解の穴を再学習
- ペアティーチング(Teach-Back)
- 1分間で要点を相手に説明 → 相手から質問 → 再説明
- コードレビューで口頭解説
- 自分のコードをチームに見せ、意図・処理の流れを説明
- 質問を受けて正確に答えられるか
3. 学習フローへの組み込み例(プログラミング講座)
- インプット
- 講義+ハンズオンで基本構文を学ぶ
- ミニアウトプット
- 5分間 “となりの席に説明” タイム
- 課題制作
- 完成後に実装ポイントをスライド2枚でまとめる
- ライトニングトーク(LT)
- 3分発表+質疑応答
- 振り返りシート
- 「説明できなかったポイントは?」 を必ず記入
4. 評価ルーブリック例
項目 | ★1 | ★2 | ★3 | ★4 |
---|---|---|---|---|
キーワードを正確に使える | ● | ● | ● | |
処理の流れを因果関係で語れる | ● | ● | ||
例え話で抽象→具体の橋渡しができる | ● | |||
質問に対して根拠を示して回答 | ● |
5. よくある躓きと対策
症状 | 原因 | 処方箋 |
---|---|---|
“説明する相手がいない” | 孤独学習 | ブログ・録画・ChatGPTに向けて解説を書く |
“言葉が出てこない” | 語彙不足 | 用語カードを作り毎日声に出す |
“質問に詰まると焦る” | 表層理解 | テスト駆動学習で失敗→原因追究を繰り返す |
6. まとめ
- 理解度チェックは“説明できるか”で行う
- その場しのぎの暗記より、他者へのアウトプットを学習サイクルに組み込む
- 質問に答えられない箇所こそ伸びしろ
「理解=説明可能」という基準を授業・自主学習の“当たり前”にすることで、学びは暗記から応用へと進化する。
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