Unity × AI 時代の最速開発ワークフロー(3目並べ(Tic-Tac-Toe)を題材にした“現代の標準プロセス”(2025年版))
AI の急速な進化により、Unity 開発の進め方は大きく変わりました。
これまで必要だった
- 設計の手書き
- UI の手作業配置
- スクリプトの手入力
- 度重なるデバッグ
- 設計変更のやり直し
これらの多くは AI に任せられる時代 になっています。
この記事では、3目並べ(Tic-Tac-Toe)を題材に、“2025年の Unity 開発の最適プロセス” をまとめます。
AI 時代の Unity 開発は「分業」が最適解
1. 設計 → ChatGPT
文章や構造化に強いため、
- クラス構造
- 状態管理
- データ構造
- 流れ図
などの“設計そのもの”を正確に作成できる。
2. コード生成/修正 → Cursor(GPT-5.1 Codex)
Unity C# に極めて強く、
- プロジェクト全体の把握
- 差分編集
- 自動リファクタリング
- Editor 拡張や UI 生成
を正確に行える。
3. デバッグ(ブレークポイント) → VSCode
Unity Debugger(vstuc)で
- 実行時の変数
- 配列の中身
- ステップ実行が可能。実行時の挙動調査は VSCode が最適。
この 3 つを役割分担すると、従来より 5〜10倍高速で安定した開発 が可能になります。
AI 開発フローの全体像(3目並べで実践)
ここでは、AI 時代の Unity 開発プロセスを
「設計 → UI → 実装 → デバッグ → 調整」まで一気に紹介します。
1. 設計フェーズ(ChatGPT)
まず ChatGPT に設計を依頼し、構造を決めます。
依頼例
Unity で 3目並べを作りたいです。
以下の要件で設計案を出してください:
・3×3 のボード
・X / O の交互入力
・勝敗判定
・リセット
・AI 対戦を将来追加できる設計
・BoardManager / GameManager / Cell の責務
ChatGPT が
- クラス構造
- データ構造
- 状態設計
- 配列の持ち方
- イベントの流れを明確にしてくれる。
設計が正確に固まるため、後の作業が非常に安定します。
2. UI / Scene 生成フェーズ(AI を最大活用)
UI は AI に任せることで作業時間をほぼゼロにできます。
方法A:Editor 拡張で UI を一発生成(最速)
AI が Editor 拡張コードを生成し、
- GridLayoutGroup の設定
- Button × 9
- TMP_Text
- ResetButton
- ResultText
をワンクリックで自動生成してくれる。
方法B:最小限だけ手配置(従来方式)
“Board / ResetButton / ResultText” だけ配置し、
中身は AI のコードで構築させる方法もある。
3. コーディングフェーズ(Cursor/GPT-5.1 Codex)
設計が決まったら Cursor に依頼して実装します。
例:Cursor に依頼する内容
BoardManager, GameManager, Cell を、Unity 6 / UGUI / TMP 前提で作成してください。
・クリックで X / O 表示
・ターン制御
・勝敗判定(横・縦・斜め)
・勝利時の表示
・ResetButton による初期化
Cursor は
- スクリプト3本
- クリックイベント
- 配列更新
- 勝敗ロジック
- リセット処理をすべて生成してくれます。
修正依頼も自然言語で可能です。
4. デバッグフェーズ(VSCode)
バグや挙動の確認は VSCode が最適です。
- 変数の中身
- 配列
- フラグ
- イベントの実行順
- 勝敗判定の動き
などがリアルタイムで確認できます。
Cursor で書いたコードの中身も、VSCode デバッガで “動きを可視化” すれば安心。
5. 調整・拡張フェーズ(AI に丸投げ)
肉付け作業は全部 AI に任せられます。
- 勝利ラインをハイライト
- X / O の色変更
- SE / アニメーション
- 先攻/後攻の選択
- AI 対戦の追加(Minimax)
- 盤面サイズ 4×4 / 5×5
- スマホ対応調整
ほぼすべて自然言語で Cursor に伝えるだけです。
6. 完成(従来の1/10の時間)
3目並べ程度のミニゲームなら、
- 設計
- UI
- 実装
- デバッグ
- 調整
を含めても 半日〜1日で完成 します。
(補足)3目並べ UI を自動生成するためのプロンプト
UI 自動生成をしたい読者向けの補足です。
以下を Cursor に貼ると、
Editor 拡張が生成され、UI をワンクリックで作れます。
Unity Editor 拡張で、3目並べのUI一式を自動生成するツールを作りたいです。
GPT-5.1 Codex として、以下の仕様を満たす C# の Editor スクリプトを作成してください。
【目的】
Canvas 内に 3目並べの UI を自動生成する EditorWindow を作りたい。
…
Unity で UI を作るときに、次のような作業は時間がかかります。
- Canvas の作成
- GridLayoutGroup の設定
- Button × 9 の配置
- TextMeshPro の追加
- Reset ボタン・結果テキストの設置
しかし 2025 年現在では、これらを AI に任せて一瞬で生成 できます。
本記事では、Cursor(GPT-5.1 Codex)に貼るだけで
3目並べ UI を完全自動生成する Editor 拡張が完成するプロンプトを掲載します。
完成する UI 構造
Editor 拡張を実行すると、次のような UI が自動生成されます。
Canvas
├ Board
│ ├ Cell_0_0 (Button + TextMeshProUGUI)
│ ├ Cell_0_1
│ ├ Cell_0_2
│ ├ Cell_1_0
│ ├ …
│ └ Cell_2_2
├ ResetButton
└ ResultText
- Board は GridLayoutGroup で 3×3 に整列
- 各セルは Button と TMP を自動生成
- ResetButton と ResultText も配置
- Canvas が無ければ新規作成
UI 生成の手作業はゼロになります。
そのまま使える「Editor 拡張生成プロンプト」
以下の文章を Cursor(GPT-5.1 Codex)に貼るだけで、Editor 拡張スクリプトの全文を返してくれます。
【コピー用プロンプト】
Unity Editor 拡張で、3目並べのUI一式を自動生成するツールを作りたいです。
GPT-5.1 Codex として、以下の仕様を満たす C# の Editor スクリプトを作成してください。
【目的】
Canvas 内に 3目並べの UI を自動生成する EditorWindow を作りたい。
【生成したい構造】
Canvas
├ Board (GridLayoutGroup 付きの空の GameObject)
│ ├ Cell (Button + TextMeshProUGUI) × 9
├ ResetButton (Button + TextMeshProUGUI)
└ ResultText (TextMeshProUGUI)
【詳細仕様】
- メニュー:Tools/TicTacToe/Generate Board から開く EditorWindow を作成する。
- ウィンドウには「Generate 3x3 Board」ボタンを 1 つ置くだけ。
- Canvas がシーンに無ければ新規作成(Screen Space Overlay)。
- Board は Canvas 直下に生成し、GridLayoutGroup で 3×3 に配置する。
- CellSize = 200×200、Spacing = 10×10 を想定。
- Cell は Button と TextMeshProUGUI を子オブジェクトとして生成し、中央揃えにする。
- Cell_行_列(Cell_0_0 ~ Cell_2_2)という名前で生成する。
- ResultText は画面上部中央に配置し、初期テキストは空文字とする。
- ResetButton は画面右下に配置し、「Reset」と表示する。
- 既に Canvas 配下に「Board」が存在する場合は削除してから再生成する。
- using UnityEngine.UI; using TMPro; を使用する。
- Unity 6 / UGUI / TMP を前提とした動作にする。
【出力フォーマット】
- クラス名:TicTacToeBoardGenerator
- ファイルは Assets/Editor/TicTacToeBoardGenerator.cs として保存する想定。
- 完全な C# コードのみを返してください(説明文は不要)。
実行方法
- Cursor が生成したファイルをAssets/Editor/ フォルダに保存します
- Unity が自動でコンパイルします
- Unity メニューからTools → TicTacToe → Generate Board を開きます
- ボタンを押すと 3目並べ UI が一瞬で生成されます
応用:他のゲームにも流用可能
このプロンプトを少し書き換えるだけで、
- オセロ(8×8)
- 2048(4×4)
- マインスイーパー(10×10)
- インベントリ UI
- RPG ステータスパネル
など、あらゆる UI を AI で一発生成できます。
まとめ
UI の手配置は、AI と Editor 拡張に任せることでゼロにできる時代になりました。
- 「UI の自動生成」
- 「ゲームロジックへの集中」
- 「作業の省力化・標準化」
これらを組み合わせれば、Unity でのミニゲーム制作が驚くほど高速になります。
まとめ
AI × Unity 開発は「自然言語で組み立てる時代」
AI を組み合わせた Unity 開発フローはこうなります。
- 設計 → ChatGPT
- コード → Cursor(GPT-5.1 Codex)
- UI → Editor 拡張 or AI 自動生成
- デバッグ → VSCode
- 調整 → 再び AI に依頼
この構成のメリット
- 作業の 70% が自動化
- 設計ミスが減る
- 初学者でも作りやすい
- 経験者は劇的に速い
- チーム品質が揃う
AI に任せる部分と、人が判断する部分を切り分けることが、2025年のUnity開発の最適解です。



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