情報処理試験で必須の基礎力
目次
基数変換(2進数・8進数・10進数・16進数)を完全理解する
情報処理技術者試験(特に基本情報処理技術者試験)では、毎回のように基数変換が出題されます。
単なる暗記ではなく、「変換の意味」を理解していないと、応用問題で必ずつまずきます。
この記事では、
- なぜ複数の基数が存在するのか
- 試験で問われる代表的な変換パターン
- 手計算で確実に解くための考え方
を、初学者にもわかる形で解説します。
1. 基数とは何か?
基数(radix)とは、「何進数か」を表す概念です。
| 基数 | 名称 | 使用する数字 |
|---|---|---|
| 2 | 2進数 | 0, 1 |
| 8 | 8進数 | 0〜7 |
| 10 | 10進数 | 0〜9 |
| 16 | 16進数 | 0〜9, A〜F |
なぜ複数の基数があるのか?
- 人間 → 10本の指 → 10進数
- コンピュータ → 電気のON/OFF → 2進数
- 2進数は長くなる → まとめた表現が必要
- 3ビット単位 → 8進数
- 4ビット単位 → 16進数
👉 つまり
16進数は「2進数を人間が扱いやすくした表現」です。
2. 10進数 → 2進数(試験頻出)
手順(割り算方式)
例:10進数「13」を2進数に変換
13 ÷ 2 = 6 余り1
6 ÷ 2 = 3 余り0
3 ÷ 2 = 1 余り1
1 ÷ 2 = 0 余り1
👉 余りを下から上へ読む
1101(2進数)
ポイント
- 割り算が止まるまで続ける
- 余りの並び順を間違えない
3. 2進数 → 10進数(位の考え方)
例:1101₂
| 桁 | 値 |
|---|---|
| 1 × 2³ | 8 |
| 1 × 2² | 4 |
| 0 × 2¹ | 0 |
| 1 × 2⁰ | 1 |
8 + 4 + 0 + 1 = 13
👉 「2の何乗か」を意識することが重要
4. 2進数 ↔ 16進数(超重要)
4ビットずつ区切る
1101 0110 0011
| 2進 | 16進 |
|---|---|
| 0000 | 0 |
| 0001 | 1 |
| … | … |
| 1010 | A |
| 1011 | B |
| 1100 | C |
| 1101 | D |
| 1110 | E |
| 1111 | F |
👉 上の例は:
1101 = D
0110 = 6
0011 = 3
→ D63₁₆
試験での鉄板パターン
- 2進 → 16進
- 16進 → 2進
- 16進 → 10進(中間で2進を使う)
5. 8進数は「3ビット単位」
2進数:110 101 011
| 2進 | 8進 |
|---|---|
| 000 | 0 |
| 001 | 1 |
| 010 | 2 |
| 011 | 3 |
| 100 | 4 |
| 101 | 5 |
| 110 | 6 |
| 111 | 7 |
👉 110101011₂ = 653₈
6. よくある試験のひっかけ
① 桁の区切りミス
- 16進:4ビット
- 8進:3ビット
👉 ここを間違えると即失点
② A〜Fの暗記不足
| 16進 | 10進 |
|---|---|
| A | 10 |
| B | 11 |
| C | 12 |
| D | 13 |
| E | 14 |
| F | 15 |
👉 丸暗記必須(考える時間がもったいない)
③ 位取りを10進感覚で考える
2進数で
1010 を「千十」と読んでしまうミス
👉 必ず 2ⁿ の重みで考える
7. 学習のコツ
- いきなり公式を覚えない
- 2進数が基準と理解する
- 手で書いて変換する練習をする
- 「なぜ16進が便利なのか」を説明できるようにする
これはプログラミング(C#, Unity, ビット演算)にも直結します。
まとめ
- 基数変換は「暗記科目」ではない
- 2進数を中心に考えることで全てつながる
- 試験対策にも、実務にも必須の基礎力
基数変換がスムーズにできるようになると、
情報処理の世界が一気に立体的に見えるようになります。
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