YAGNIの法則

YAGNI(You Aren’t Gonna Need It)原則とは、ソフトウェア開発の原則で、将来の要件を予測して不必要に複雑なコードを追加するのではなく、実際に必要な機能のみを実装するべきだというものです。

YAGNIの背景にある考え方は、不要な機能を追加するとコードが複雑になり、理解、テスト、保守が困難になるというものです。さらに、開発プロセスに不必要なコストと遅延を追加する可能性もあります。重要なのは、ユーザーやステークホルダーの直接的なニーズに焦点を当て、彼らのニーズを満たす最小限の機能セットを構築することです。そうすることで、より早く、より複雑さの少ない実用的なソリューションを提供することができます。

YAGNIの原則をコードで実践するには、いくつかの方法があります。

  • ユーザーや利害関係者にとっての重要性に基づいて、機能に優先順位をつける。
  • 現在のバージョンに必須でない機能は追加しない。
  • 機能を段階的に実装し、必要なときだけ機能を追加する。
  • 将来の変化を予測して事前に構築するのではなく、新しい機能が追加されたときにコードをリファクタリングする。
  • 過剰なエンジニアリングや金メッキを避ける(システムに不必要な機能や特徴を追加すること)。

YAGNIの原則に従うことで、コードに不必要な複雑さを加えることを避けることができ、理解、テスト、保守が容易になります。また、ソリューションをより早く、予算内で提供することも可能になります。さらに、アジャイル開発手法を用いるのも良い方法です。この手法では、まず最も重要な機能に焦点を当て、ステークホルダーからのフィードバックを定期的に確認し、取り入れながら、動作するソフトウェアを段階的に提供することができます。