【生成AI時代のプログラミング教育 第6回】
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生成AIがコードを書く時代でも「修行」は必要なのか
― 寿司職人の話で考える技術者の価値 ―
生成AIがコードを書く時代になりました。
「もうプログラミングを覚える必要はないのでは?」
そんな声を聞くことも増えてきました。
確かに、AIはかなりそれらしいコードを書いてくれます。質問すれば、プログラムも作ってくれます。
しかし、この話を理解するためには少し別の世界の話をすると分かりやすくなります。
寿司職人の話です。
今の寿司はロボットが作る
今の回転寿司では、シャリを作るのは人ではありません。
多くの場合、シャリロボットです。
機械が一定の大きさのシャリを作り、人はその上にネタを乗せるだけです。
これを見ると、こう思う人もいるかもしれません。
「寿司職人の修行は、もう必要ないのでは?」
確かに、食べる側の立場ならそれで十分です。
家族で回転寿司に行き、子どもが「おいしい」と言えば、それで満足です。
安くて早くて便利です。
しかし立場が変わると話は変わる
ここで一つ考えてみてください。
あなたは
- 寿司を食べる人でしょうか
- それとも寿司を作って働く人でしょうか
もし働く人だとすると、
- 回転寿司の従業員
- 高級寿司店の職人
どちらの方が高い収入を得ているでしょうか。
多くの場合、高級寿司店の職人です。
なぜでしょうか。
それは 技術を持っているから です。
3人の寿司職人
少し想像してみてください。同じ町に、3人の寿司職人がいます。

1人目の職人
この人はこう考えました。
「今の時代、ロボットがシャリを作る。ネタを乗せるだけで十分だ。」
この人は回転寿司で働いています。
仕事は
- シャリロボットが出したご飯に
- ネタを乗せるだけ
お客さんは来ますが、給料はそれほど高くありません。
2人目の職人
この人は少し違いました。
「ロボットは便利だけど、魚の扱い方や包丁の技術は覚えておこう。」
魚の種類や切り方、保存方法などを学びました。
この人は町のお寿司屋さんで働いています。
回転寿司より少し高い収入を得ています。
3人目の職人
この人はさらに考えました。
「なぜこの魚はこの味になるのか」「どうすれば一番おいしくなるのか」
市場で魚を見て、季節や状態も研究します。包丁の研ぎ方も研究します。
この人は 高級寿司店の職人 になりました。
当然、収入も高くなります。
3人とも同じ寿司を作っている
ここで大事なのは 3人とも寿司を作っている ということです。
しかし
- 技術
- 知識
- 理解
が違うと 価値が変わります。
これはプログラミングでも同じ

プログラミングの世界でも、今は生成AIがあります。
AIがコードを書いてくれます。
これは 寿司ロボットがある状態 とよく似ています。
AIを使う人と、AIを使いこなす人
AIがコードを書いてくれる時代でも、大きな違いが生まれます。
AIのコードをそのまま貼る人は
- なぜ動くのか分からない
- エラーが出ると直せない
という状態になります。
一方で、技術を理解している人は
- AIのコードを読み
- 必要に応じて修正し
- 設計を考えながら使う
ことができます。
つまり AIを使う人 と AIを使いこなす人 では価値が違います。
世の中を語ることと、自分の立場は違う
世の中の変化を見て「これからはAIの時代ですね」と言うことは簡単です。
しかし本当に大事なのは 自分はどの立場で働くのか です。
- AIを使う人
- AIに指示を出す人
- AIを作る人
どこに立つのかによって、価値は大きく変わります。
今やっていることは「修行」
プログラミングの学習は、すぐに成果が出るものではありません。
時間もかかりますし、エラーもたくさん出ます。
しかし、それは 寿司職人の修行と同じ です。
道具が進化した時代でも、技術の価値がなくなるわけではありません。
むしろ 技術を持った人が道具を使う ことで価値が生まれます。
最後に
もし寿司を食べに行ったとき、
- ロボットが作った寿司
- 10年修行した職人の寿司
どちらに価値を感じるでしょうか。
多くの人は職人の寿司と言うと思います。
プログラミングも同じです。
AIがコードを書く時代だからこそ、自分の手で作れる力 を少しずつ積み重ねていくことが大切です。
皆さんは、どの職人になりたいでしょうか。






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