身近なお店で学ぶ!企画から運用までの流れ ~マクドナルドのモバイルオーダーを例に~
基本情報技術者試験では、
- 企画
- 要件定義
- 調達
- 開発
- 運用
- 保守
という流れがよく出題されます。
しかし、教科書だけでは
「実際にはどう進むの?」
とイメージしにくいかもしれません。
そこで今回は、皆さんが一度は利用したことがあるであろうマクドナルドを例に考えてみましょう。
昔のマクドナルド
少し前まで、マクドナルドでは注文はすべて店員さんが受けていました。
お客さん
↓
レジに並ぶ
↓
店員さんが注文を聞く
↓
支払い
↓
商品を受け取る
当時は、
「スマイル0円」
というサービスも有名でした。
つまり、
店員さんとお客さんの会話
が接客の中心だったのです。
今のマクドナルド
最近では大きく変わりました。
お店へ行くと、
- 大きなタッチパネル
- モバイルオーダー
- キャッシュレス決済
などが利用できます。
お客さん
↓
スマホまたはタッチパネル
↓
注文
↓
支払い
↓
番号が表示される
↓
商品を受け取る
では、このシステムはどのように作られたのでしょうか。

① 企画プロセス
最初に考えるのは経営者です。
例えば、お昼の時間帯はこんな問題がありました。
- レジが混雑する
- 長い行列ができる
- 注文ミスが起こる
- 店員さんが忙しすぎる
そこで経営者は考えます。
「もっと待ち時間を短くしたい。」
「少ない人数でも効率よく営業したい。」
これが経営上のニーズです。
企画プロセスでは、
「どんなシステムを作れば経営課題を解決できるか」
を考えます。
ROIも考える
システムを作るには大きなお金がかかります。
例えば、
システム開発費
50億円
だったとします。
しかし、
- 人件費が減る
- 注文ミスが減る
- 回転率が上がる
- 売上が増える
のであれば、
「投資する価値がある」
と判断できます。
この投資効果を評価する考え方が
ROI(投資利益率)
です。
プライバシーバイデザイン
モバイルオーダーでは、
- 氏名
- クレジットカード
- 購入履歴
などの個人情報を扱います。
そのため、
最初から
- ログイン認証
- 暗号化
- 不正アクセス対策
などを組み込んで設計します。
これが
プライバシーバイデザイン
です。
「あとから安全対策を追加する」のではなく、
最初から安全なシステムとして設計する
という考え方です。
② 要件定義プロセス
企画が決まると、
今度は実際に使う人へ話を聞きます。
例えば、
店員さん
- 注文をすぐ厨房へ送りたい
- レジ操作を簡単にしたい
店長
- 売上をリアルタイムで確認したい
- メニューをすぐ変更したい
お客さん
- 並びたくない
- スマホで注文したい
- クーポンを使いたい
このような要望を集めるのが
要件定義
です。
業務要件とは?
業務要件とは、
お店の仕事そのもの
です。
例えば、
- 注文を受ける
- 会計する
- 厨房へ注文を送る
- 商品を渡す
などです。
機能要件とは?
業務を実現するために必要な
システムの機能
です。
例えば、
- 商品を選べる
- サイズ変更できる
- クーポンが使える
- モバイル決済できる
- 注文番号を表示する
などがあります。
非機能要件とは?
機能以外の品質です。
例えば、
- 昼休みでも止まらない
- 画面が3秒以内で表示される
- 24時間安定して動く
- 停電してもデータが消えない
などです。
基本情報技術者試験では、
機能要件と非機能要件の違い
はよく出題されます。
利害関係者
システムには多くの人が関わります。
マクドナルドなら、
- 経営者
- 情報システム部
- 店長
- 店員
- お客様
- システム会社
- 決済会社
などです。
このようにシステムによって影響を受ける人を
利害関係者
といいます。
③ 調達
システムは自社だけで開発するとは限りません。
専門のシステム会社へ依頼することもあります。
そのために行うのが
調達
です。
RFI
最初に、
「どんな会社なのか」
を調べます。
例えば、
- 開発実績は?
- 全国展開できる?
- 24時間運用できる?
などを質問します。
これが
RFI(情報提供依頼書)
です。
RFP
次に、
「こんなシステムを提案してください」
と依頼します。
例えば、
- 全国約3,000店舗対応
- タッチパネル対応
- モバイルオーダー対応
- クーポン対応
- キャッシュレス決済対応
などの条件を書いて依頼します。
これが
RFP(提案依頼書)
です。
ベンダーの提案
システム会社は、
- この構成で開発します
- 費用は○○円です
- 開発期間は○か月です
という提案書を提出します。
その中から最適な会社を選びます。
④ 開発
会社が決まると、
いよいよシステムを作ります。
例えば、
- タッチパネル画面
- スマホアプリ
- 厨房表示システム
- 注文管理システム
などを開発します。
⑤ 運用
システムは完成して終わりではありません。
毎日の営業で利用しながら、
- メニュー変更
- 新商品の追加
- クーポン更新
- 障害対応
などを行います。
これが
運用
です。
⑥ 保守
さらに、
- 不具合修正
- セキュリティ更新
- 新しい決済方法への対応
- 新機能追加
なども続けます。
これが
保守
です。
全体の流れ
経営者
「待ち時間を減らしたい」
↓
企画
↓
要件定義
(店員・店長・お客様の要望を集める)
↓
調達
(RFI → RFP → ベンダー選定)
↓
開発
↓
運用
↓
保守
読んだら確認してみよう!
ここまで読んだら、内容が理解できたか確認してみましょう。
試験でも問われやすいポイントです。
問題1
マクドナルドでは、
「待ち時間を短くしたい」
「人手不足を改善したい」
という課題がありました。
このような経営上のニーズを考えるのは、どのプロセスでしょうか。
A. 要件定義プロセス
B. 企画プロセス
C. 開発プロセス
D. 運用プロセス
問題2
モバイルオーダーで
「クーポンが利用できる」
という機能を追加するとします。
これは何要件でしょうか。
A. 業務要件
B. 機能要件
C. 非機能要件
D. 保守要件
問題3
システム会社へ依頼する前に、
「開発実績はありますか?」
「全国の店舗に対応できますか?」
などの情報を集める文書はどちらでしょうか。
A. RFP
B. RFI
問題4
次に、
「タッチパネル対応」
「モバイルオーダー対応」
「キャッシュレス決済対応」
などの条件を書いて、
システム会社へ提案を依頼する文書はどちらでしょうか。
A. RFI
B. RFP
問題5
次の内容を、
業務要件・機能要件・非機能要件
に分類してみましょう。
| 内容 | あなたの答え |
|---|---|
| 注文を受ける | |
| クーポンが使える | |
| 昼休みでも止まらない | |
| 商品を厨房へ送る | |
| 画面が3秒以内に表示される |
問題1
答え:B(企画プロセス)
企画プロセスでは、
「どんな課題を解決したいか」
という経営上のニーズを考えます。
問題2
答え:B(機能要件)
「クーポンが使える」
「PayPayで支払える」
「商品を検索できる」
など、
システムが持つ機能は機能要件です。
問題3
答え:B(RFI)
RFIは、
情報提供依頼書
です。
システム会社の実績や技術力などを調べるために利用します。
問題4
答え:B(RFP)
RFPは、
提案依頼書
です。
「こんなシステムを作ってください」
という条件を書いて提案を依頼します。
問題5
| 内容 | 分類 |
|---|---|
| 注文を受ける | 業務要件 |
| クーポンが使える | 機能要件 |
| 昼休みでも止まらない | 非機能要件 |
| 商品を厨房へ送る | 業務要件 |
| 画面が3秒以内に表示される | 非機能要件 |
今日のポイント
✅ 企画では、経営上の課題を解決する方法を考える。
✅ 要件定義では、利用者の要望を整理する。
✅ 業務要件は「何をする仕事か」、機能要件は「その仕事を実現するシステムの機能」、非機能要件は「性能や安全性などの品質」である。
✅ 調達では、RFIで情報を集め、RFPで提案を依頼する。
✅ システムは開発して終わりではなく、運用・保守を繰り返しながら改善し続ける。
マクドナルドのモバイルオーダーは、皆さんが毎日何気なく利用しているサービスですが、その裏では基本情報技術者試験で学ぶ「企画・要件定義・調達・開発・運用・保守」の流れが実際に行われています。身近な例と結び付けて理解すると、試験問題でもイメージしやすくなります。










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