ファクトリーパターンとファクトリーメソッドパターンの違い(C#)
目次
~ 武器を題材にした C# サンプル付き資料 ~
1. 概要
ファクトリーパターンは、オブジェクト生成の責任をクライアントコードから分離し、柔軟かつ拡張性のある設計を実現するための手法です。
その中のファクトリーメソッドパターンは、生成処理をサブクラスに委譲することで、具体的なインスタンスの生成方法を隠蔽し、必要に応じて変更できる仕組みを提供します。
2. ファクトリーパターン全体について
- 目的:
クライアントコードが直接具体的なクラス(今回の例では「武器」)を生成しないようにし、拡張時の影響範囲を限定する。 - バリエーション:
- シンプルファクトリーパターン
- ファクトリーメソッドパターン
- 抽象ファクトリーパターン
3. ファクトリーメソッドパターンの特徴
- 概要:
抽象クラスまたはインターフェース内に、オブジェクト生成のための抽象メソッド(ファクトリーメソッド)を定義し、サブクラスでその実装を行う。 - 利点:
- 生成するオブジェクト(ここでは「武器」)の種類をサブクラスごとに柔軟に決定できる。
- 新たな武器クラスが増えても、既存のクライアントコードに影響を与えずに拡張が可能となる。
4. C#によるサンプルコード(武器を題材、Allmanスタイル)
サンプルコードのポイント:
- インターフェース
IWeapon
武器の基本的な機能(ここではAttack
メソッド)を定義し、各武器クラスの共通仕様としています。 - 具体的な武器クラス
Sword
とBow
IWeapon
インターフェースを実装し、それぞれ固有の攻撃メッセージを出力します。 - 抽象クラス
WeaponCreator
ファクトリーメソッドCreateWeapon
を抽象メソッドとして定義し、共通処理AttackWithWeapon
内で生成した武器のAttack
メソッドを呼び出します。 - 具体的クリエーター
SwordCreator
とBowCreator
抽象メソッドをオーバーライドし、各自の武器インスタンス(剣、弓)を生成します。 - クライアントコード(
Program.Main
)
具体的クリエーターを利用して、生成された武器を用いた攻撃処理を実行します。
5. まとめ
- ファクトリーパターンは、オブジェクト生成の責任を分離することで、柔軟かつ拡張性のある設計を実現するための手法です。
- ファクトリーメソッドパターンは、生成処理をサブクラスに委譲することで、具体的な生成方法をカプセル化し、変更に強い設計を可能にします。
- 上記の武器を題材としたサンプルコードでは、各クリエーターが異なる武器(剣や弓)を生成する仕組みを通じ、どのようにしてオブジェクト生成を柔軟に管理できるかを示しています。
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