初学者は「GUI先行+最小限CLI」がおすすめです。
CLIファーストは“理解の核”よりも操作記憶に負荷が寄り、つまずきやすい。まずは GUI で Git の概念モデル(スナップショット/ブランチ/PR/レビュー)を体験で掴ませ、その後に“復旧・高度操作の保険”として 最小限の CLI を教える方が学習効率も安全性も高いです。
なぜ GUI 先行か
- 認知負荷を下げる:初学者は「用語×コマンド×引数×状態遷移」を同時に学ぶと破綻しやすい。GUIは差分・履歴・コンフリクトを可視化して誤解を減らす。
- 安全性:取り消し・比較が視覚で確認でき、誤操作の被害を抑えやすい。
- 実務整合:.NET/Unity の現場では IDE や GitHub Desktop が日常の主戦場。まず“現場の標準手順”を身体化させるのが近道。
- CLIは“最後の砦”に集中:reflog や reset のような復旧系だけを後半で教えると、学習目的が明確になる。
いつ CLI ファーストを選ぶか(例外)
- Linux サーバ常駐・SSH越し作業が前提のチーム
- DevOps/SRE 志望で自動化やヘッドレス運用を最優先する履修コース
- GUI を導入できない(ポリシー/端末制約)環境
おすすめ進め方(授業プラン短縮版)
- Week 1–2|GUIで一連の流れVS or GitHub Desktopで:Clone → Branch → 小粒コミット → PR → レビュー → CI通過 → マージ → 同期。
- Week 3|事故らない設計GitHub のブランチ保護(直push禁止、レビュー必須、CI必須)を設定して運用ルール化。
- Week 4|復旧のための最小CLI失敗をあえて起こして演習:
git status
git log --oneline --graph --decorate
git reflog
git restore .
git reset --hard <hash> # ※破壊的操作は演習で慎重に
git pull --rebase
git push
- 目的は読む系(状態/履歴の理解)と戻す系(復旧)に限定。
評価観点(ルーブリック例)
- GUIだけで PR サイクルを自力で完遂できる
- コンフリクトを GUI のマージエディタで解消できる
- 誤操作から reflog→reset で自力復旧できる(講師監督下)
要するに、最初は“見える・安全・現場整合”を優先してGUI、後半に“読める・戻せるCLI”を足す構成が、初学者には最短距離です。
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