生成AIが使えれば、もうIT基礎はいらない?
生成AIが進化した今、こんな疑問を持つのは自然かもしれません。
ChatGPTがコードを書いてくれるなら、
もう細かい文法を覚えなくてもいいのでは?
確かに、 ChatGPT や GitHub Copilot の進化はすごいです。
エラーを貼れば原因候補を教えてくれるし、
「この機能を作りたい」と伝えれば、それっぽいコードも出してくれます。
では、これからのITエンジニア就活では何が重要なのでしょうか?
以前は、次の2択のように考えがちでした。
- 生成AI 90%、基礎 10%
- IT基礎 50%、コーディング基礎 30%、AI 20%
でも、今は私はこう考えています。
実は、もう1つ非常に重要な力があります。
それが、
要望を理解する力
です。
なぜ「要望理解」が重要なのか
お客さん、上司、あるいは社内の別部署は、必ずしも正確に要望や課題を伝えてくれません。
例えば、こんな依頼。
ボタンを押したら一覧が出るようにして
これだけで作り始めるのは危険です。
確認すべきことはたくさんあります。
- どのボタン?
- 何の一覧?
- 並び順は?
- 最大件数は?
- 検索は必要?
- スマホ対応?
つまりエンジニアの仕事は、
言われた通りに作ること
ではなく、
曖昧な要望を具体化すること
です。
自社開発でも要望理解は重要
「それって受託開発の話では?」
と思う人もいるかもしれません。
でも、むしろ自社開発でも重要です。
自社開発では、営業、マーケ、企画、経営層などからこんな話が来ます。
ユーザーの離脱率を下げたい
もっと使いやすくしたい
継続率を上げたい
でも、これは仕様ではありません。
これは 課題 です。
エンジニアが考えるべきこと
エンジニアはここから考えます。
- なぜ離脱する?
- UIが複雑?
- 初回登録が面倒?
- 動作が遅い?
- 通知不足?
つまり、
ビジネス上の課題をシステム要件に変換する力
が必要になります。
これは非常に高度なスキルです。
AI時代ほど要望理解が重要になる
これは少し逆説的ですが、AIが進化するほど重要になります。
なぜならAIは、
- 曖昧な指示でも
- それっぽい答えを返す
からです。
例えばAIにこう聞きます。
在庫管理アプリを作って
するとAIはコードを出してくれます。
でも、要件が曖昧だと、
- 賞味期限管理は必要?
- OCRは使う?
- クラウド同期する?
- 通知は必要?
などで、完成物が大きく変わります。
AIに何を作らせるかを決めるのは、人間です。
AIだけでは危険な理由
例えばAIがこんなコードを出したとします。
for (int i = 0; i <= arr.Length; i++)
{
Console.WriteLine(arr[i]);
}
一見、正しそうです。
でも配列を学んだ人なら気づきます。
arr.Length = 5 のとき、使える添字は
0,1,2,3,4
です。
つまり、
i <= arr.Length
だと最後に範囲外アクセスが起きます。
AIのコードを見て、
- 正しいか
- 危険か
- 修正が必要か
を判断する力が必要です。
企業が欲しいのはAIオペレーターではない
企業が欲しいのは、
- 問題を理解できる人
- 要件を整理できる人
- 原因を調査できる人
- 修正方針を考えられる人
です。
AIを使えること自体は、もはや特別ではありません。
今の時代、
- Wordが使える
- Excelが使える
だけで評価されないのと同じです。
AIもそのうち、
使えて当たり前
になります。
差がつくのは、
AIの答えを評価できるか
です。
IT基礎とは何か
ここでいうIT基礎とは、例えば次のようなものです。
コンピュータの仕組み
- CPU
- メモリ
- OS
- ファイル
- プロセス
ネットワーク
- IP
- DNS
- HTTP
- API
データ管理
- Database
- SQL
- 正規化
セキュリティ
- 認証
- 暗号化
- 脆弱性
- 権限管理
AI時代でも、これらは消えません。
コーディング基礎とは何か
こちらは実装力です。
- 変数
- if
- for
- 配列
- 関数
- クラス
- オブジェクト指向
- Git( GitHub)
AIがコードを書く時代でも、
何をどう組み立てるか
を理解している人は強いです。
AIは不要なのか?
もちろん違います。
AIは今後の必須スキルです。
例えば、
- エラー解析
- コードレビュー
- README作成
- テストコード生成
- 設計の壁打ち
では非常に強力です。
AIを使わないエンジニアは、今後かなり不利になるでしょう。
2026年時点の理想比率
私なら、こう考えます。
- 要望理解 30%
- IT基礎 30%
- コーディング基礎 25%
- 生成AI活用 15%
将来的にはAI比率は上がるでしょう。
2030年頃には、
- 要望理解 30%
- IT基礎 20%
- コーディング 20%
- AI 30%
くらいになるかもしれません。
ただ、おそらく AI 100% にはなりません。
なぜなら、最終的に責任を持つのは人間だからです。
未経験者は最初から全部できる必要はない
ここまで読んで、
こんなの未経験には無理では?
と思った人もいるかもしれません。
それは半分正解です。
もちろん、未経験の段階でこれらすべてを高いレベルで求められるわけではありません。
企業が見ているのは、
- 完成されたスキル
よりも、
- 学び続けられるか
- 成長できるか
- 素直に確認できるか
といった 伸びしろ です。
例えば、分からない仕様があったときに、
とりあえず作ります
ではなく、
認識違いを防ぐため、まず確認します
と言える人は評価されやすいです。
つまり、最初から高度な要件定義ができなくても、
確認する姿勢
は大切です。
最後に
これからのIT業界で大切なのは、AIを使えることです。
でも、それ以上に大切なのは、
AIに正しい問いを投げる力
AIの答えを鵜呑みにしない力
です。
基礎がある人は、AIを武器にできます。
基礎がない人は、AIに振り回されます。
だから、私はこう伝えたいです。
まず基礎を身につけよう。
要望を理解する力を磨こう。
その上でAIを使えば、成長速度は何倍にもなる。
これが、これからのITエンジニア就活で強い人の姿だと思います。




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